1922年 (大正11年)
内閣 | 高橋内閣 – 加藤友内閣 |
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軍部 | 陸軍大臣:山梨半造 参謀総長:上原勇作 海軍大臣:加藤友三郎 軍令部長:山下源太郎 |
宮中 | 内大臣:松方正義 – 平田東助 宮内大臣:牧野伸顕 侍従長:正親町実正 – 徳川逹考 枢密院議長:山県有朋 – 清浦奎吾 |
貨幣価値 | 1円=533円 |
国家予算 | 歳入 2,087,345 / 歳出 1.429,690 / 軍事費 692,569(予算比率45.7%)※ 単位は1000円 |
1月1日 | 「コドモノクニ」創刊 |
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1月1日 | 英国で聴取料を財源とするラジオ放送局「イギリス放送会社」(現BBC)設立 |
1月2日 | クリミア共和国が独立 |
1月4日 | 東京朝日新聞が本年の予測について有識者に書簡を求める。内村鑑三が返書し、紙面に掲載 |
1月4日 | 山田風太郎生誕。小説家。奇想天外な発想に富み、伝奇文学を基にした「魔界転生」や「忍法帖」シリーズを手がける |
1月7日 | アイルランド議会が英国との和解を承認 |
1月8日 | リトアニア・ビルナ地方が住民投票でポーランド帰属を決定。リトアニアがこれに反発し、ポーランドとの国交を断絶 |
1月10日 | 作家の萩原朔太郎が自転車の練習を再開。去年借りて事故を起こした自転車に、ブレーキがなかったことに気づく |
1月10日 | 大隈重信没。佐賀の賢人。国会開設に貢献し、内閣総理大臣を歴任。早稲田大学創設者 |
1月11日 | カナダ・トロントで、糖尿病患者に対し、初のインスリン治療が行われる |
1月12日 | 英国がアイルランドの政治犯に恩赦が与える |
1月13日 | 連合国がドイツの賠償支払い猶予を暫定的に承認 |
1月15日 | 作家の萩原朔太郎が自転車を完全にマスター。その乗り心地を「天下あにかくのごとき爽快事あらんや」と日記に記す |
1月15日 | フランスでアンリ・ポアンカレ内閣発足。対独強硬姿勢を取り、ドイツにヴェルサイユ講和条約に基づく賠償履行を迫る |
1月16日 | 軍備縮小同志会が統帥権、帷幄上奏などの軍による二重政府の弊害を除去する為、軍制改革案を決議 |
1月17日 | 大隈の国民葬挙行。70万人が日比谷公園に参列し、沿道に大衆が押し寄せる |
1月18日 | ワシントン会議が中国の門戸開放を決議 |
1月19日 | 東京市がフランスの三色旗を、藍30%、赤37%、白33%と定める |
1月20日 | 犬養毅が衆議院にて師団半減の軍縮を提唱 |
1月20日 | 皇太子訪仏の答礼として、ジョセフ・ジョッフル仏元帥が来日 |
1月21日 | 囚人に対する扱いを改善。模範囚に対しては歯磨き粉と楊枝を与えて、囚人服も浅黄色にするなど、他の囚人との区別化を図る |
1月21日 | 露モスクワで開催の極東民族会議に片山潜が出席。日本の革命こそが全極東人民の解放に不可欠であると議論 |
1月25日 | 院内食堂で政友会の鳩山一郎が憲政会の鈴木富士彌を殴打。懲罰問題に関連した暴挙。後に不起訴処分 |
1月27日 | この手紙を受け取った人は24時間以内に知り合い9人に送らないと悪いことが起きる、という幸運のハガキが東京市内で流行。警視庁は人心を惑わすものだとし、取り締まる方針を固める |
1月28日 | 摂政宮裕仁が婚約を予定通りに行うとの意思を明らかにする |
1月某日 | 芥川龍之介が「藪の中」を発表 |
1月某日 | 資生堂が「かぶと型ドライヤー」を設置。米からフロレンス・グロスマンを迎えて、洋髪を紹介。耳隠しと呼ばれるグロスマン・ウェーブが流行する |
1月某日 | ドイツの生活費が前年比7割上昇。インフレーション加速 |
2月1日 | 山県有朋没。元老。国軍の父 |
2月2日 | アイルランド作家ジェームズ・ジョイスが「ユリシーズ」を刊行 |
2月4日 | 日中両国が山東問題解決の条約に調印。膠州湾租借地還付、山東駐留の日本兵撤退が決定 |
2月5日 | 海軍が軍艦建造中止を命令し、長崎造船所職工3000名を解雇。海軍軍縮に関連 |
2月6日 | 日米英仏伊五カ国がワシントン海軍軍縮条約に調印。主力艦保有量を米5、英5、日3の比率に定める。太平洋における軍事基地の現状維持協定も成立 |
2月6日 | 朝鮮教育令改正。日本人との共学が原則になる |
2月8日 | 枢密院議長に清浦奎吾就任 |
2月8日 | ソヴィエトが反革命を取り締まるチェカを解体し、統一国家保安部GPUを設立 |
2月9日 | 山県有朋国葬 |
2月11日 | 江崎利一が栄養菓子「グリコ」を発売 |
2月11日 | 長野県下諏訪リンクで初のフィギュアスケート競技会開催 |
2月11日 | ヤップ島及び赤道以北太平洋委任統治諸島に関する日米条約調印。ヤップ島における米国民の特権を承認 |
2月12日 | ワシントン海軍軍縮条約により廃艦対象となった「三笠」を記念艦として保存する方針が決定 |
2月13日 | 吉野作造が朝日新聞紙面に帷幄上奏廃止論を発表。軍部を攻撃 |
2月14日 | 衆議院で大乱闘勃発。憲政会の中野寅吉が殴られて気絶 |
2月15日 | ハーグ国際司法裁判所設置 |
2月18日 | 高橋内閣が貴族院に過激社会運動取締法案を提出。法案を先に貴院に提出するのは異例。法案に対する批判が院内外に広まる |
2月23日 | 衆議院各派合同で普選法案を上程。河野広中が「吾らに普選を与えよ。然もなくば死を」と熱弁を振るう |
2月27日 | 衆議院で憲政会・国民党・無所属議員共同提出の普通選挙法案が否決される |
2月27日 | 孫文が北伐を宣言 |
2月28日 | 横堀将軍の名で知られた相場師の石井定七が、鐘紡株の買い占めに失敗し、不渡りを出して破産。株式市場・米穀市場が大荒れになり、銀行の信用問題にまで発展 |
2月28日 | 英国がエジプトの保護を放棄し、エジプトが独立。ただし英国はエジプトの外交・軍事権と、スエズ運河・スーダン権益を保持 |
3月1日 | 「文明堂」が東京に進出 |
3月1日 | 日本初のアマチュア無線局開局 |
3月1日 | 大阪毎日新聞社が記者の洋服着用を命令 |
3月1日 | イツハク・ラビン生誕。イスラエル首相。オスロ合意にてパレスティナとの和平を実現するも、和平反対派に暗殺される |
3月3日 | 全国水平社創立 |
3月5日 | ドイツで映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」公開。世界初の吸血鬼映画 |
3月5日 | ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕。イタリアの映画監督。マルキ・ド・サドを原案とした映画「ソドムの市」にて、イタリアの社会や文化を批判。右翼の反発を招き、暗殺される |
3月6日 | ソヴィエトとスウェーデンが通商条約を締結 |
3月8日 | 箱根の関所跡が史跡に指定される |
3月8日 | 山口県秋芳町の秋芳洞、島根県大社町のウミネコ繁殖地が天然記念物に指定される |
3月8日 | 水木しげる生誕。漫画家。戦時中に兵隊として南洋諸島に出征し、片腕を失う。復員後に貸本漫画家となり「墓場鬼太郎」シリーズで妖怪ブームを巻き起こす。自らの戦争体験を基にした「総員玉砕せよ!」も著名 |
3月10日 | 東京上野で平和記念東京博覧会開催。文化住宅と謳われた赤瓦屋根の洋風住宅が目玉であったが、展示の質は悪く、「草紙建築」と批判された |
3月10日 | マーガレット・サンガー夫人が、産児制限宣伝の公開講演を行わないという誓約の下でようやく上陸を許可。この際、通訳を務めた山本宣治がサンガーの持参したパンフレットを翻訳し、表題に「批判」とつけて検閲をパス。産児制限論を日本に紹介した |
3月10日 | 石本恵吉、安部磯雄らが日本産児調整研究会を創立 |
3月10日 | インド独立運動家のマハトマ・ガンジーが逮捕される |
3月10日 | 山下清生誕。画家。幼少期の風邪から言語障害、知的障害の後遺症を負う。障害施設入所後にちぎり紙細工に出会い、才能が開花。各地を放浪して、その記憶を絵にした。「裸の大将」としてドラマ化され、人気を博する |
3月11日 | 日本庭球協会設立 |
3月12日 | 議会にて馬場鍈一法制局参議官が、憲法第12条編成大権の解釈を国務大臣の輔弼に依る国務事項であると答弁 |
3月12日 | 岐阜県各務原ー東京間の初の旅客輸送飛行に成功 |
3月15日 | アイルランドのデ・バレラが共和国協会を組織。対英テロを開始 |
3月16日 | 東京日日新聞が漢字の簡略化を実施 |
3月17日 | 東京・二重橋前で元満鉄工員・福田留次郎が自殺。社会の革新を訴えた政府弾劾上奏文を所持 |
3月17日 | バルト海沿岸諸国とポーランドが中立条約を締結 |
3月18日 | 貴族院において加藤海相が軍部大臣文官制を容認する発言。海軍省において軍部大臣文官制について調査研究しているとも答弁 |
3月18日 | ガンジーに禁固刑が宣告される |
3月19日 | 貞明皇后が大正天皇の病気全快祈願のために筑紫路の神社参拝を開始 |
3月19日 | 小野田寛郎生誕。元将校。敗戦後にフィリピン・ルパング島でゲリラ戦を続行。民間人や在比米兵を多数殺傷。29年後に任務解除命令を受けて投降。日本社会に馴染めずにブラジルに移住した |
3月20日 | 夏目漱石「彼岸過迄」のモデルとなった佐藤恒祐医師が題名の由来について、漱石の肛門の治療が彼岸過ぎ迄かかると答えたので、それが採用されたと語る |
3月21日 | 官業工場労働者が軍縮失業救済を要求しデモ |
3月24日 | ドイツのインフレが深刻化1ドル329マルクまで暴落し、ジャガイモの値段が100倍に跳ね上がる |
3月25日 | 衆議院にて各派共同提出の陸軍軍備縮小決議案が可決 |
3月25日 | 内閣改造の計画が新聞紙面に漏洩。高橋総裁派と床次内相派の対立が先鋭化 |
3月25日 | 女性の政治集会参加及び発起を認める治安警察法改正案が議会で成立 |
3月25日 | 閑院宮訪問を控え、大分県別府警察が警備上有害とした山窩、ハンセン病患者部落を焼き払う。的ヶ浜事件 |
3月26日 | 衆議院にて陸海軍大臣武官制廃止建議が全党一致で可決。陸軍軍縮断行の機運が高まる |
3月26日 | 東京・三河島の汚水処分工場が運転開始。日本初の本格的な下水処理施設 |
3月26日 | 田中義一陸軍大将が旅行先の上海で狙撃される。田中は無事 |
3月27日 | 大隈家が邸宅を早大に寄付。大隈重信の遺志 |
3月30日 | 未成年者飲酒禁止法公布 |
コドモノクニ創刊号
ワシントン会議全権の幣原喜重郎、加藤友三郎、徳川家達
4月1日 | 未成年者飲酒禁止法施行 |
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4月1日 | 東京市が小学校の絵画の授業にクレヨンを採用 |
4月1日 | 同志社大学が男女共学を開始 |
4月2日 | 週刊朝日、週刊サンデー毎日創刊。日本の週刊誌の始まり |
4月2日 | ヘルマン・ロールシャッハ没。スイスの神経学者。患者の精神疾患を検査するロールシャッハテストを考案。米国の臨床心理学に採用される |
4月3日 | 日本麦酒鉱泉株式会社が「ユニオンビール」を発売 |
4月3日 | カルピスが水玉模様の包装紙を採用 |
4月3日 | ロシア共産党中央委員会がヨシフ・スターリンを書記長に選出 |
4月4日 | 大阪・新町遊郭が市電敷設の為に飛田移転を命じられる。浪速の名所と称された著名な遊郭 |
4月5日 | 茨城県霞ヶ浦航空隊が日本初の落下傘降下を実験 |
4月7日 | 米国でティーポット・ドーム・スキャンダル発生。米海軍備蓄石油の民間石油会社払い下げを巡る一大疑獄 |
4月7日 | 仏ポワ上空で初の民間旅客機の空中衝突事故発生 |
4月8日 | 国語調査会が漢字制限を決定。常用漢字1962文字を選定 |
4月10日 | 家畜伝染病予防法制定。狂犬病増加の為、狂犬病に関する届出が義務付けられる |
4月10日 | ジェノヴァ経済会議開催。ソヴィエト政府の承認と為替安定問題を議論 |
4月12日 | 英皇子エドワード来日。皇太子訪英の返礼。駒沢のゴルフ場で日英皇太子の親善試合が行われ、ゴルフが一般化する |
4月14日 | 少年団日本連盟結成。「備えよ、常に」を標語とするボーイスカウト連盟。初代総長に後藤新平就任 |
4月16日 | 日比谷の帝国ホテル全焼。英皇太子が宿泊中も、難を逃れる |
4月16日 | ドイツとソヴィエトがラッパロ友好条約調印。ヴェルサイユ条約に不満を持つドイツと、債務処理に苦しむソヴィエトが接近。相互が賠償請求を放棄し、国交を回復 |
4月20日 | 治安警察法改正公布。女性の政談集会参加が認められる |
4月22日 | 健康保険法公布 |
4月25日 | 憲政会大会にて加藤総裁がワシントン諸条約に敢えて反対しないと発言。対華二十一か条以来の外交政策を転換 |
4月26日 | 第一次奉直戦争勃発。奉天派の張作霖と直隷派の呉佩孚が衝突 |
4月29日 | カルピスが「初恋の味」のキャッチフレーズを初めて新聞広告に使用 |
4月某日 | 帝国興信所設立。後の帝国データバンク |
5月1日 | ロシアの世界的バイオリニスト、エフレム・ジンバリスト来日。各地で演奏会開催 |
5月2日 | 高橋首相が内閣改造を主張。閣僚から反対の声が上がる |
5月5日 | 日本軍が青島から撤退 |
5月6日 | 高橋首相が内閣改造中止を声明。政友会幹部たちを招いて和解の宴を開催 |
5月11日 | 大阪毎日新聞が点字毎日を創刊 |
5月12日 | 張作霖が東三省の独立を宣言 |
5月12日 | 米バージニア州ブラックストーン近郊に重さ20トンの隕石が落下。46平方メートルの大穴が開く |
5月13日 | 軍縮に伴う艦隊補充計画決定。翌年度から5カ年総額5億6千万の補充費 |
5月15日 | 新婦人協会が治安警察法改正を祝して、初の婦人政談講演会を開催 |
5月15日 | 瀬戸内寂聴生誕。尼僧。自らの恋愛体験を題材とした「夏の終り」で人気作家として活躍。51歳にして天台宗で出家し、愛や孤独に悩む人々に向けた法話で有名に |
5月16日 | 和井内貞行没。支笏湖のヒメマスを十和田湖に放流し、その回帰に成功。魚の住まない十和田湖の養魚事業を推進した |
5月18日 | 東京・二重橋前の宮城外苑でテニスや野球を行う役人が警察に拘引される |
5月19日 | 内務省に都市計画局が設置される |
5月20日 | 修学旅行中の宇都宮中学と会津中学の生徒が名古屋駅で大乱闘。宇都宮の生徒が会津弁を馬鹿にしたのがキッカケ |
5月20日 | マルクスの「共産党宣言」を堺利彦が翻訳し、極秘裏に出版 |
5月21日 | 上野で開催中の平和博のくじ引きで、自動車の当選者が出る |
5月22日 | 伊軍がリビアのアラブ人を攻撃。リビア戦争勃発 |
5月29日 | 国立栄養研究所が栄養献立を作成。新聞に毎日掲載される |
5月31日 | 軍法会議が初めて公開される。民間弁護士の弁護が可能になる |
5月某日 | 伊ボローニャでファシスト党が共産党を追放。各地で極右と極左の対立が激化 |
5月某日 | 仏パリ南部に航空機の空気力学テストを行う風洞実験装置が完成。仏の航空機技術の水準が高まる |
6月1日 | 賀川豊彦の「死線を越えて」の印税を基金とする大阪労働学校が開校 |
6月1日 | 米サンフランシスコで明大が米野球チームと対戦 |
6月3日 | 森永製菓が練乳の製造を開始 |
6月6日 | 高橋首相が閣議で改造問題を持ち出すも中橋文相らが反対。閣内不一致を理由に高橋内閣が総辞職 |
6月9日 | 後任首班について元老松方正義が、加藤(友三郎)に非ずんば加藤(高明)の方針を固める |
6月11日 | 加藤友三郎に組閣の大命降下 |
6月11日 | 黎元洪が中華民国大統領に就任 |
6月12日 | 加藤友三郎内閣成立 総理大臣:加藤友三郎 外務大臣:内田康哉 内務大臣:水野錬太郎 大蔵大臣:市来乙彦 陸軍大臣:山梨半造 海軍大臣:加藤友三郎 – 財部彪 司法大臣:岡野敬次郎 文部大臣:蒲田栄吉 農商務大臣:荒井賢太郎 逓信大臣:前田利定 鉄道大臣:大木遠吉 内閣書記官長:宮田光雄 法制局長官:馬場鍈一 |
6月13日 | 原敬を暗殺した中岡艮一に無期懲役の実刑判決が下る |
6月14日 | 直隷軍が奉天軍を撃破。万里の長城を越えて奉天軍を追撃 |
6月16日 | 陳炯明が広東政府を攻撃し、孫文が上海に逃れる。北伐失敗 |
6月17日 | 奉直両軍の和平成立。第一次奉直戦争終結 |
6月17日 | 米ウォレン・ハーディング大統領がフィリピン代表と会談。独立要求を拒否 |
6月18日 | ドナルド・キーン生誕。米国の日本文学研究者。三島由紀夫や永井荷風、安部公房ら日本の文学者と交流。日本文学の多くを英訳し、欧米に紹介した |
6月19日 | 常陸山谷右衛門没。19代横綱。角聖と呼ばれる大横綱。欧米を歴訪し、ルーズベルト大統領の前で横綱土俵入りを披露するなど、相撲を世界に紹介した |
6月20日 | 皇太子裕仁と久邇宮良子女王の結婚勅許発表。摂政宮は自分の婚約に勅許を与える勅書に署名 |
6月22日 | 英ロンドンでシン・フェイン党党員が北アイルランド参謀長を暗殺 |
6月24日 | 加藤首相が10月までのシベリア撤兵断行を声明 |
6月24日 | 独ベルリンでワルター・ラテナウ外相が暗殺される。犯人は右翼のテロリスト。ラッパロ条約締結を容共主義と断じての犯行 |
6月25日 | 雍仁親王が成年式を迎え、秩父宮を称する |
6月25日 | 独ヨーゼフ・ヴィルト首相が「国民の傷に毒をたらし込む敵がいる」と右派弾劾演説を行う |
6月26日 | 東京市が市政調査会を設置。都市政策の調査研究を行う機関 |
6月某日 | 香川県大田村伏石にて小作料の引き下げを地主に求めた小作争議が発生。伏石事件 |
6月某日 | 田園調布会社が土地分譲を開始。建物は3階以下、建蔽率5割以下、隣家との境に生垣を設置するなどの条件で、高級住宅街が形成される |
革新倶楽部を結成する、犬養毅、尾崎行雄、島田三郎
来日したアインシュタイン博士
7月1日 | 帝国ホテル新館オープン。フランク・ロイド・ライトの設計。大谷石や常滑のタイルがふんだんに使用され、すだれ煉瓦が豪華な佇まいを演出。戦前日本の最高建築 |
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7月3日 | 政府が海軍軍縮計画を発表。下士官以下2万人を整理 |
7月5日 | 貰い子のお初が虐待死したお初事件発生。児童虐待防止の世論が高まる |
7月7日 | 小野訓導事件 |
7月8日 | ドイツが連合国に対し、賠償金支払い停止を要求 |
7月9日 | 米水泳大会100メートル自由形でジョニー・ワイズミュラーが1分の壁を破る58秒6の世界記録を樹立 |
7月9日 | 森鴎外没。軍医にして明治の文豪。「阿部一族」「高瀬舟」などの名作を世に送り出す。墓碑には遺言通り「森林太郎」とのみ記された |
7月12日 | 仏ストラスブールで自動車グランプリ開催。伊フェリーチェ・ナッツァーロがレースを制する |
7月15日 | 日本共産党が非合法結成。委員長に堺利彦就任 |
7月15日 | 全米オープンで20歳のジーン・サラゼンが優勝。後に世界四大タイトルを制覇する天才ゴルファー |
7月17日 | 丹波哲郎生誕。俳優。昭和を代表する名スター。「007は二度死ぬ」でショーン・コネリーと共演。強烈な個性で有名になる。霊界を研究し「丹波哲郎の大霊界」を記す |
7月18日 | 有島武郎が蔵書や絵画、彫刻を全て売り払い、北海道狩太農場を小作人に無償提供 |
7月22日 | 高峰譲吉没。科学者。アドレナリンを発見し、医学の発展に貢献。理化学研究所設立にも携わった |
7月26日 | 国際連盟がシリアの委任統治をフランス、パレスティナの委任統治を英国に決定 |
7月29日 | 読売新聞が、信越電力発電所工事現場で朝鮮人労働者多数が虐殺されていると報道。工事現場下流で朝鮮人の死体多数発見 |
7月30日 | 明治天皇10年祭が明治神宮で挙行 |
7月31日 | 伊共産党が反ファシズムゼネスト。ファシスト党がストを攻撃し、ジェノヴァを占領 |
7月某日 | 大谷武一がハンドボールを日本に紹介 |
7月某日 | 救世軍が児童虐待防止部を設置し、児童の保護を開始 |
8月1日 | 交通巡査のヘルメット着用が義務化 |
8月1日 | 井上準之助、団琢磨らが日本経済連盟会を設立。工業・商業・金融を含めた日本財界の対外窓口の一本化を図る |
8月1日 | 全国で初の節約デー実施 |
8月1日 | 英国が戦時債務に関し、米国が英国に対する債務を放棄することを条件に、英国がドイツに対する債務を放棄するという内容の書簡を公表 |
8月2日 | 中内㓛生誕。ダイエー創業者。プライベートブランドを推進し、価格破壊を起こす。南海ホークスを買収し、プロ野球業界にも参入 |
8月2日 | グラハム・ベル没。英発明家。聾唖教育から、音声の研究をするうちに、音声を電流に変えて遠くに送る電話を発明。20世紀を代表する大発明 |
8月3日 | 味の素が新聞にてデマ否定 |
8月3日 | 米ニューヨークのWGY放送局が長編メロドラマを放送 |
8月7日 | 英ロンドンで対独賠償問題に関する連合国会議開催。独賠償支払い猶予を巡り英仏が対立し、不調に終わる |
8月8日 | 相賀武夫が小学館を創設。「小学五年生」「小学六年生」を創刊 |
8月8日 | ルイ・アームストロングがクリオール・ジャズバンドに参加。ジャズ・エイジが花開く |
8月9日 | 東北帝大に金属材用研究所設立。所長に本多光太郎就任 |
8月13日 | 第八回全国中等学校優勝野球大会開催。和歌山中が大会初となる連覇達成。不健康な学生が無理やり試合に出ることが問題となり、今大会より健康証明書提出を義務付けられる |
8月15日 | 陸軍省が軍備縮小異動を発表。将校2268名、准士官以下5万名、経費3500万削減。山梨軍縮 |
8月15日 | ドイツが期限となった賠償金200万ボンドの内、50万ポンドのみを支払い、債務不履行を宣言。ドイツのマルク通貨が急速に下落 |
8月21日 | 生麦事件60年祭挙行。英総領事が参列 |
8月26日 | カムチャッカ半島警備中の軍艦「新高」が暴風雨で沈没。生存者はわずかに16名 |
8月28日 | 米ニューヨークでラジオで初の広告放送。初のスポンサーはクイーンズボロ不動産会社。この広告で2つのアパートが売れる |
9月1日 | 犬養毅が立憲国民党を解党 |
9月1日 | ドイツで有料商業ニュースの放送が開始される |
9月2日 | 目黒蒲田電鉄設立。田園都市の開発促進 |
9月4日 | ジョルジュ・ソレル没。仏思想家。仏労働運動の指導者で、ブルジョア階級打倒のためにプロレタリア階級の暴力・ストで対抗する必要があるという暴力論を唱える。レーニンやムッソリーニに大きな影響を与えた |
9月9日 | トルコがギリシャに反撃。イズミルを奪還 |
9月10日 | 露バレリーナ・アンナ・パブロワ来日。帝劇でバレー「瀕死の白鳥」を公演。山田耕筰をして「あれが何といっても第一です」と評するほどの名演 |
9月12日 | 内海桂子生誕。芸人。漫才コンビ、内海桂子・佳恵を結成し、人気を博する。漫才協団会長就任後もピン芸人として活躍。「ナイツ」の師匠 |
9月13日 | リビア・アジジアで世界最高気温72.8度を記録 |
9月15日 | 独ヴィルト首相が「まずパン、次に賠償」と基本方針を声明 |
9月16日 | 後藤新平東京市長が米都市計画専門家のチャールズ・ビアード博士を招待 |
9月18日 | 政府が臨時外交調査会・防務会議を廃止。行政の簡素化を図り、内閣の主導権を確保 |
9月18日 | 文部省が女性教員の産前・産後有給休暇を承認 |
9月18日 | ギリシャ軍がアナトリア半島から撤退 |
9月20日 | 鉄道省が東海道線の電化を決定 |
9月22日 | 米でケーブル法成立。外国人と結婚した米人女性の米国籍を保障。女性の政治的・社会的束縛からの解放が狙い |
9月23日 | 米仏がイスタンブールをトルコに返還 |
9月26日 | 長野県下伊那郡で自由青年連盟会発足。官制の青年団に対抗 |
9月26日 | ギリシャのヴェニゼロス派がサロニカを占領。クーデター発生 |
9月27日 | 対トルコ戦争を推し進めたギリシャ国王コンスタンティノス1世が退位。ゲオルギオス2世が即位 |
ローマ進軍
ツタンカーメン発掘
10月1日 | 沢田正次郎の新国劇が浅草公園劇場と契約 |
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10月4日 | 米大リーグワールドシリーズをラジオが初めて実況中継 |
10月5日 | コレラ大流行で東京魚市場を閉鎖 |
10月8日 | 仏・凱旋門賞をクサールが連覇 |
10月10日 | 全国の海軍工廠・造兵廠で6000人の労働者が解雇 |
10月10日 | 英・イラク協定調印。委任統治を廃して同盟関係を結ぶ |
10月11日 | 連合国とトルコがムダニヤで停戦条約締結。トルコが領土回復 |
10月13日 | 日蓮に立正大師の諡号が与えられる |
10月14日 | 鉄道記念日が制定される |
10月14日 | 監獄が刑務所と改称 |
10月14日 | フィンランドで定住用土地供給法成立。小作人に対して国有地を解放し、大地主制度を廃止。農地改革により自作農家が急増 |
10月14日 | 米ニューヨーク市に電話交換機が設置される |
10月20日 | ウラジオストック派遣軍の武器紛失事件で、原浄一少佐が軍法会議にかけられる。懲役1年6ヶ月、執行猶予2年の判決 |
10月20日 | 政府が普選調査会を設置 |
10月24日 | ファシスト党が伊ナポリで党大会開催。ムッソリーニが政権奪取を宣言。ローマ進軍を開始 |
10月24日 | アイルランド自由国憲法が採択される |
10月25日 | 日本軍、ウラジオストックから撤収。シベリア撤兵完了 |
10月28日 | ムッソリーニのローマ進軍に対し、伊ルイージ・ファクタ内閣が国王に戒厳の裁可を求めるも拒否される |
10月29日 | ムッソリーニ率いる黒シャツ隊がローマに無血入城。伊国王ビットーリオ・エマヌエーレ3世がムッソリーニに組閣を命令 |
10月29日 | 東京・御茶ノ水、湯島聖堂で孔子2400年祭開催 |
10月30日 | ムッソリーニが伊宮殿で「イタリアは強力な政府を持つであろう」と演説 |
10月30日 | 南北アイルランド代表が和平宣言に署名 |
10月31日 | ムッソリーニ内閣成立。警察・官僚・銀行・労組を管理下に置くファシスト政権が誕生 |
10月某日 | 米国に麻雀上陸。麻雀ブーム到来。リーチや七対子、緑一色、牌交換などのオリジナルルールが生まれる |
11月1日 | 宗谷本線、鬼志別ー稚内間が開通。鉄道が北海道最北端に到達 |
11月1日 | トルコのケマル・パシャがスルタン制廃止を宣言。メフメット6世が退位し、623年続いたオスマン朝が滅亡 |
11月1日 | ドイツのマルクが1ドル4450マルクまで下落 |
11月2日 | 独ベルリンでマルク安定を協議する国際会議開催 |
11月4日 | 米プロ野球チーム来日。慶大と対戦。慶大は0-6で敗戦 |
11月5日 | コミンテルンが日本共産党を承認 |
11月5日 | エジプト、ルクソールの谷でツタンカーメン王墓発見 |
11月7日 | トルコの前スルタン、メフメット6世がマルタ島に亡命 |
11月8日 | 犬養毅、尾崎行雄、島田三郎らが革新倶楽部を結成。旧国民党や憲政会脱党組が合同 |
11月13日 | 米最高裁が日本人の帰化権を否認 |
11月13日 | 豊田正子生誕。作家。小学生の頃に書いた作文が「綴方教室」に収録され、大ベストセラーになる |
11月14日 | 英BBC放送開始。国際ニュースと天気予報を放送 |
11月15日 | 東京モーターサイクル協会がオートバイ大競争会を開催 |
11月15日 | 英総選挙で自由党が70議席を失う大敗。労働党が野党第一党に躍進 |
11月15日 | 極東共和国が解消。日本軍がシベリアから撤退したために、緩衝国としての意義を喪失 |
11月15日 | ロックフェラー研究所のアレクシウス・カレル博士が白血球を発見 |
11月17日 | アルベルト・アインシュタイン来日 |
11月18日 | マルセル・プルースト没。仏小説家。大作「失われし時を求めて」を記し、20世紀を代表する作家と称される |
11月19日 | 三田倶楽部が9-3で大リーグ選抜に勝利。小野三千麿が好投し勝利投手に。日本野球が米プロチームに勝利するのは史上初 |
11月20日 | 米国が連合国とトルコの間で開かれたローザンヌ和平会議にオブザーバーで参加。モンロー主義を改める動き |
11月21日 | 英上院議員にレベッカ・ラチマー・フェルトン就任。初の女性議員 |
11月23日 | 新潟県木崎村に小作人組合、笠柳・横井組合結成。小作料減額を地主に要求。第一次木崎村小作争議が始まる |
11月23日 | 第一回早慶対抗ラグビーを開催。14-0で慶大が快勝 |
11月26日 | 黄金のマスクをつけたツタンカーメンのミイラが発見される |
11月28日 | 米ニューヨーク上空で、飛行機がスモークで空中広告文字を描く |
11月某日 | 資生堂がアイシャドウを発売。女性の化粧に革命が起きる |
12月4日 | 神戸海洋気象台に無線電信装置が設置。気象実況・暴風雨警報の無線放送を開始 |
12月6日 | アイルランド自由国が憲法を発布。英国王に忠誠を誓い、英国自治領として正式に発足。英・アイルランド紛争が終息 |
12月6日 | 宮崎滔天没。大陸浪人。中国革命の援助者として孫文と親交を深める |
12月7日 | 日本・ポーランド通商航海条約調印 |
12月9日 | 連合国がドイツの賠償金支払い猶予要請を拒否 |
12月10日 | 大日本雄弁会が「少女倶楽部」創刊 |
12月12日 | ロシア反革命派指導者グリゴリー・セミョーノフが福岡県門司港に到着。反共ロシア人指導者として各地で活躍 |
12月13日 | 海賊船「大輝丸」船長・江連力一郎が逮捕される。江連は尼港事件の報復と称し、樺太沖でロシア船の襲撃を繰り返していた |
12月15日 | ムッソリーニがファシスト党と政府の連絡機関、ファシズム大評議会を設置。事実上の国家最高意思決定機関 |
12月17日 | 日本軍が青島から撤兵完了 |
12月17日 | 小鶴誠生誕。プロ野球選手。和製ディマジオの異名を持つ名バッター。1950年に記録した161打点は不滅の記録。日本プロ野球界初の50本塁打を記録した際に「ボールが止まって見えた」と発言したことで有名 |
12月18日 | 退役軍人の生活困窮が報道される |
12月22日 | 軍縮の影響で将校志願者が激減していると報道される |
12月22日 | 西郷四郎没。柔道家。必殺技の山嵐が有名。姿三四郎のモデルともなる |
12月24日 | クリスマス流行。日比谷公園で合唱が行われる |
12月27日 | 第46議会召集(-翌3月26日閉会) |
12月27日 | 世界初の航空母艦「鳳翔」竣工 |
12月28日 | スタン・リー生誕。米漫画家。マーベルコミックから「ファンタステック・フォー」「アイアンマン」「スパイダーマン」「Xメン」といったスーパーヒーローを次々生み出す。アメコミの第一人者 |
12月29日 | 枢密院が日華郵便条約の手続き違いを批判。政府弾劾の上奏を決議 |
12月30日 | レーニンがソヴィエト社会主義共和国連邦(ソ連)成立を宣言。ロシア、ウクライナ、白ロシア、ザカフカス共和国が連邦となる |
某月 | 寿屋が赤玉ポートワインの宣伝に、浅草オペラの松島栄美子のセミヌード写真を採用。ドイツのポスター展で一等入選を果たす |
某月 | 北海道帝大前に竹家食堂開店。肉絲麺が人気になる。札幌ラーメンの元祖 |
某月 | 大日本除虫菊が渦巻き型蚊取り線香「金鳥かやいらず」を発売。従来の蚊取り線香は棒状で、1本40分足らずで終わっていたが、これを渦巻きにしたことで効果が7時間持続し、一晩中の安眠を約束した。大ヒット商品 |
某月 | 植物学者・南方熊楠が女性が惚れる菌について講演。これを聞いた代議士が、菌を分けてくれるなら寄付すると殺到 |
某月 | 富山県神通川流域で原因不明の奇病発生。患者が悲痛な叫びを上げることから「イタイイタイ病」と呼ばれるようになる |
某月 | 尋常小学校の国語教科書が「生麦生米生卵」を早口言葉として紹介 |
某月 | 梁瀬自動車(現ヤナセ)が日本初の中古車オークションを開催 |
某月 | 漁師の小林喜作が北アルプス・燕岳から大天井、東鎌尾根を経て槍ヶ岳に至る喜作新道を開設。槍ヶ岳に殺生小屋を建築する。北アルプスの表銀座と呼ばれる人気コースになる |
某月 | 米ハリウッドにアメリカ映画製作・配給業者協会設立。俳優との契約にモラル条項が取り入れられ、性表現の自主検閲を始める |
某月 | コアラが絶滅寸前まで激減。オーストラリアがコアラの保護を開始 |