1923年 (大正12年)
内閣 | 加藤友内閣 – 第二次山本内閣 |
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軍部 | 陸軍大臣:山梨半造 – 田中義一 参謀総長:上原勇作 – 河合操 海軍大臣:加藤友三郎 – 財部彪 軍令部長:山下源太郎 |
宮中 | 内大臣:平田東助 宮内大臣:牧野伸顕 侍従長:徳川逹考 枢密院議長:清浦奎吾 |
貨幣価値 | 1円=524円 |
国家予算 | 歳入 2,045,298 / 歳出 1,521,050 / 軍事費 529,553(予算比率34.2%)※ 単位は1000円 |
1月1日 | 菊池寛が文藝春秋を創刊。創刊の辞において「読者や編集者に気兼ねなしに、自由な心持ちで言ってみたい」と述べる。芥川龍之介、今東光、川端康成、横光利一、直木三十五など錚々たる作家陣で、定価も10銭と格安の為、瞬く間に完売 |
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1月1日 | 婦人倶楽部一月号が単行本形式の付録を「別冊付録」と称する |
1月1日 | 孫文が中国国民党宣言を発表。不平等条約改定、土地改革を打ち出す |
1月2日 | ドイツの賠償問題を討議するパリ賠償会議開催。英国がモラトリアム案を提案するも、フランスが拒否して決裂 |
1月4日 | 岡山県藤田農場で、農業の機械化に小作人が反発。日本農民組合が指導し、大規模な争議に発展する。5月に藤田組が農場の半分を解放し、妥結 |
1月4日 | 米ニューヨークーボストン間で有線同時放送開始。初のネットワーク放送 |
1月8日 | 歌謡映画「船頭小唄」封切り。女船頭扮するヒロインの栗島すみ子が人気を博する |
1月8日 | 岡十郎死去。実業家。東方捕鯨を開拓。捕鯨の産業化に成功し、捕鯨近代化に寄与 |
1月9日 | 東京相撲の関取衆、行司たちが、養老金倍増・十両経験者保護などの待遇改善を相撲協会に要求し、上野・三河島の工場に籠城。本場所をボイコット。三河島事件 |
1月11日 | 朝日新聞社が毎週1便、東京ー大阪間を輸送する定期航空便を出す。航空輸送の意義を広める目的 |
1月11日 | ドイツの賠償不払いに対する制裁として、フランス・ベルギー連合軍が独重工業の心臓部ルール地方を占領。ドイツの経済活動が停滞 |
1月12日 | 大相撲春場所開催。関取衆のボイコットの為、横綱・大関は土俵入りのみの出場で、幕下以下の取り組みのみという異例の初日を迎える |
1月13日 | 東京日本橋に市営公衆食堂開業。定食を10銭で提供 |
1月13日 | 独ヴィルヘルム・クーノ首相がルール占領に対し、受動的抵抗を宣言。労働者にストライキを呼びかけ |
1月14日 | イタリアがファシスト国防義勇軍の黒シャツ隊を国防軍として承認 |
1月15日 | 李登輝生誕。中華民国(台湾)総統。中華民国初の民選総統。二つの中国の下に国共内戦を終結させ、台湾の民主化を実現 |
1月16日 | 水戸徳川家でキリシタン関係の資料が発見される |
1月18日 | 赤池濃警視総監が三河島事件の和解式を設ける。席上、横綱大錦が事件の責任を取って自らの髷を切り落とし、突然の廃業を表明 |
1月18日 | 英BBCがラジオ放送を開始 |
1月20日 | 三國連太郎生誕。俳優。戦後映画界を代表する名優。「ビルマの竪琴」や「釣りバカ日誌」など、数多くの映画に出演。老人の役作りのために抜歯したなど、映画狂の逸話も多く残す |
1月22日 | 兵庫県宝塚の宝塚少女歌劇場が焼失 |
1月24日 | 京都帝大の山本宣治講師が松江高女で女学校教師向けの性教育を講演。初めて性教育という単語が用いられる |
1月24日 | 土肥慶蔵が「性病学」を発表。花柳病に代わり、性病という単語が使われ始める |
1月25日 | 東京朝日新聞社が「アサヒグラフ」を創刊。写真を主とする、日本初のグラフ誌。創刊号で4コマ漫画「正チャンのぼうけん」連載開始 |
1月25日 | 池波正太郎生誕。歴史小説家。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」「真田太平記」など、時代劇ものを多く執筆 |
1月26日 | 大相撲春場所が返り初日として開催される |
1月26日 | 孫文とソ連極東部代表のアドリフ・ヨッフェが会談。ソ連が孫文の革命支持を表明し、北京政府との交渉を打ち切り |
1月30日 | 諸井恒平が秩父セメント設立。秩父・武甲山の石灰石採掘を開始 |
1月某日 | 雑誌「郷土趣味」で郷土玩具という単語が使用され、一般的に普及する |
2月1日 | 後藤新平の招きでソ連極東部代表のヨッフェが来日。日ソ国交回復について会談 |
2月2日 | 東京で婦人参政権同盟結成。諸婦人団体が参加 |
2月4日 | 溝口健二が「愛に蘇へる日」で監督デビュー。様式美にこだわり、長回しの手法で女性をリアルに描き、国際的にも高く評価される |
2月5日 | 東京市内のデパートを巡回し、女性の陰毛を拾い集めていた集団が逮捕される |
2月5日 | 伊ムッソリーニ政権が社会党員に逮捕命令を出す |
2月6日 | 海軍航空隊が横須賀ー八丈島の往復飛行に成功 |
2月7日 | 中国漢口で鉄道全線ゼネスト。呉佩孚が武力弾圧し死傷者400名 |
2月10日 | 縛り絵画家の伊藤晴雨が、妻をモデルにした残酷写真を撮影。残酷写真の最高傑作と称される |
2月10日 | ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン没。X線を発見、研究し、レントゲンを開発。医療を大進歩させ、第一回ノーベル物理学賞を受賞 |
2月11日 | 全国で過激社会運動取締法案・労働組合法案・小作争議調停法案の反対デモが起こる |
2月11日 | 大東文化協会結成。東亜の文化振興を目的とする。初代総長に平沼騏一郎就任 |
2月12日 | 仏軍が独ルール地方ドルトムントで全ての自動車を挑発 |
2月13日 | チャック・イェーガー生誕。米空軍パイロット。X1のテストパイロットとして人類初となる音の壁を突破 |
2月15日 | 高橋新吉が「ダダイスト新吉の詩」を刊行。ダダイスムに衝撃を受け「DADAは一切を断言し否定する」と謳う |
2月20日 | 丸の内ビルヂング完成。日本最大級のオフィスビル |
2月21日 | 中国広東政府樹立。孫文が大元帥に就任 |
2月22日 | 英海軍パイロット、Wジョーダン操縦の戦闘機が航空母艦「鳳翔」に着艦。日本初の着艦実験に成功 |
2月23日 | 東京で普選即時実行要求デモ。河野広中、尾崎行雄、三木武吉らが先頭に立つ。デモから暴力が払拭され、目立った混乱なく、普選への期待が高まる |
2月24日 | 衆議院にて憲政会、革新倶楽部などが普通選挙法案を上程 |
2月24日 | 婦人参政同盟が衆議院に婦人参政権に関する建議案を提出 |
2月27日 | 警視庁が消防組規則を改正し、纏を廃止 |
2月27日 | 憲政会の山道襄一代議士が衆議院で「普選を拒む者は日本を亡国に導く」と演説。懲罰委員会にかけられる |
2月28日 | 帝国国防方針改訂。仮想敵国が米国・ソ連・中国に設定される |
3月1日 | 衆議院が普通選挙法案を否決 |
3月1日 | 仏軍が独ルール地方における工員の妨害行為には、死刑を以って臨むと通告 |
3月3日 | 米国が国際司法裁判所加盟を拒否 |
3月3日 | 米国にて週刊誌「タイム」創刊。週刊ニュース雑誌。記事はニューヨークタイムズから貰い、それを編集者が取捨選択し、読みやすく再編集。このスタイルが人気を集める。創刊号の表紙は共和党下院議長ジョセフ・キャノン |
3月5日 | 米モンタナ、ネバダ州が初の老齢年金を支給。70歳以上の老人に月額25ドル支給 |
3月7日 | 広島県宮島が史跡名勝に指定される. |
3月9日 | 衆議院が競馬法案を可決 |
3月9日 | 衆議院において、労災発生時に内縁の妻も扶助料受給者であることが確認される |
3月9日 | ウラジミール・レーニンが発作で倒れる。右半身不随の後遺症を負い、政治の表舞台から退場 |
3月10日 | 山野千枝子が丸ノ内ビルヂングに丸の内美容院開業 |
3月11日 | 目黒蒲田電鉄が目黒ー丸子間開通。田園調布と山手が接続 |
3月13日 | 大山康晴生誕。将棋棋士。十五世名人。1952年に史上最年少名人となり、5連覇を果たして永世名人の資格を得る。1962年には史上初の五冠独占を達成。最強棋士として長年君臨 |
3月14日 | 中国が対華二十一ヶ条破棄を通告。旅順・大連の回収運動や排日運動が起こる |
3月16日 | 野田醤油で総同盟組合員が労働強化に抗議し、スト。翌月調停 |
3月17日 | 陸軍軍縮として、名古屋陸軍幼年学校が廃止される |
3月17日 | 平井敏太郎京大教授が、小児脳膜炎は母親の白粉による鉛中毒が原因であると証明 |
3月19日 | 奈良県川西村で、被差別部落民に対する差別行動を巡り水平社と右翼・国粋会が衝突 |
3月20日 | 衆議院がソ連承認決議案を否決 |
3月21日 | 陸軍軍縮として、陸軍砲兵工廠職工4200名が解雇される |
3月22日 | ウィリアム・ギルバード原作のオペラ「ミカド」の上演が警視庁に却下される。皇室への不敬が理由。ミカドの上演は1947年以降となる |
3月22日 | マルセル・マルソー生誕。仏パントマイム。シルクハットに白塗りの顔の道化師「ビップ」によるパントマイムで世界的に有名に。マイケル・ジャクソンの「ムーンウォーク」にもヒントを与えたとの逸話 |
3月24日 | 貴族院が競馬法案を修正可決 |
3月25日 | 英国が委任統治領パレスティナのヨルダン川東部、トランスヨルダンをアラブ王国とすると宣言 |
3月25日 | 士族名称の廃止建議案が衆議院委員会を通過。元士族が反発し、成立には至らず。士族名称の廃止は1947年 |
3月25日 | 英ギルバート・サリバン喜劇劇団来日。丸の内有楽座で公演 |
3月26日 | 衆議院が被差別部落に対する因襲打破を決議 |
3月26日 | サラ・ベルナール没。仏舞台女優。世界的名声を得ており、パリで市葬。興行の度に持ち歩いた薔薇の木で作った棺に入れられた |
3月27日 | 遠藤周作生誕。小説家。江戸時代のキリシタン弾圧を描いた「沈黙」が、20世紀のキリスト教文学に大きな影響を与える |
3月29日 | 警視庁が短刀・匕首の携帯を禁止 |
3月30日 | 工場法改正。適用年齢を16歳未満まで引き上げ、14歳未満の就労を原則禁止とする |
3月30日 | 中央卸売市場法公布。全国に中央卸売市場が設置され、衛生・取引の公正を地方公共団体が管理する |
3月31日 | 陸軍省馬政局が廃止され、農商務省に畜産局が新設される。競馬の指導監督が畜産局に移管される |
3月31日 | 仏軍がルール地方でサボタージュを行なった工場従業員を機銃掃射。死者40名 |
丸の内ビルヂング
普選デモ
4月1日 | 名古屋市中村区に中村遊郭開業。東海一の遊廓 |
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4月1日 | フランス留学中の北白川宮成久王がドライブ中に交通事故死。同乗した房子妃と朝香宮鳩彦王が重傷を負う |
4月3日 | 共産党の合法機関紙「赤旗」創刊 |
4月3日 | 東京上野でフランス美術展開催。アンリ・マティス、オーギュスト・ロダンなどの作品が並ぶ |
4月5日 | 浅草七軒町に「日賀志屋」創業。国産カレー粉の誕生 |
4月7日 | 内務省が「赤旗」に対し、赤旗は革命を意味するので改名するように通告 |
4月9日 | 東西本願寺で親鸞開教700年記念大法要挙行 |
4月10日 | 競馬法公布。勝ち馬投票が公認される |
4月10日 | 的場仁市が「矢満登商会」を設立。酸化反応によって起こる熱を利用したハクキンカイロを発売し、ロングセラーとなる |
4月11日 | ハロルド・ロイド主演の「要心無用」が公開。高層ビルの時計にぶら下がるスタントが、無声映画を代表する名シーンになる。日本でも人気を博し、ロイドのかけていた黒縁メガネがロイド眼鏡として流行 |
4月12日 | 杉本隆治が圧搾生イーストによるパン量産体制を構築 |
4月13日 | 作家・島田清次郎がファンの女性誘拐の疑いで横浜検事局に拘引される。後に無実が証明されるも、メディアで騒がれた為に精神を病む |
4月14日 | ワシントン会議の了解に基づき、石井・ランシング協定が破棄される |
4月16日 | 憲法学者・美濃部達吉が「憲法撮要」を刊行。天皇機関説を説く、戦前の代表的な憲法教科書 |
4月17日 | 米考古学者ロイ・チャップマン・アンドリュースがモンゴル・ゴビ砂漠に出発。世界初となる恐竜の卵と巣の化石を発見 |
4月17日 | ソヴィエト共産党大会開催。スターリンの官僚主義が批判を受ける |
4月18日 | 米ニューヨークにヤンキースタジアム完成。74000人を収容する、全米最大・最新設備を誇る大球場。別名「ルースが建てた家」こけら落としでベーブ・ルースがホームランを放つ |
4月19日 | エジプトで憲法公布。立憲君主制、二院制、普選制を規定される |
4月20日 | 澳バイオリニスト、フリッツ・クライスラーが来日。帝劇で演奏会開催 |
4月21日 | 伊ムッソリーニ 政権がメーデーを禁止化 |
4月22日 | 東京洲崎で自動車大競争会が開催される |
4月23日 | 武藤山治が実業同志会を結成。実業界から政界に転身 |
4月26日 | 英第二皇子ヨーク公アーサー・ジョージとエリザベス・ボーズが結婚。ヨーク公は後のジョージ6世 |
4月某日 | 牧野省三が「マキノ映画製作所」を創立。後の大スター、阪東妻三郎が所属 |
4月某日 | 大阪毎日新聞社が日本初の英文紙「ザ・トウキョウ・ニチニチ」を創刊 |
4月某日 | 江戸川乱歩が新青年に探偵小説「二銭銅貨」を発表。名探偵明智小五郎が初登場。暗号や謎解きなどの、それまでの怪奇探偵小説には無かった斬新な着想が好評を得る |
4月某日 | 山本菊子没。馬賊頭目。7歳の時にからゆきさんとして売られ、満州を転々とする。ある酒場で処刑寸前の馬賊を助けたことがキッカケで馬賊頭目に。満州お菊の通称で有名 |
5月1日 | 稚内ー樺太間の連絡航路開通 |
5月1日 | 岩波書店が200字詰、100枚綴の原稿用紙を発売。従来の原稿用紙より紙質が良く、好評を得る |
5月1日 | 大杉栄が仏パリのメーデー集会に参加し演説を振るう。後に警察に逮捕され、日本に強制送還される |
5月1日 | アドルフ・ヒトラーが独ミュンヘンのメーデー襲撃を計画。事前に察知した軍隊が武装解除 |
5月3日 | カルピスが「五月の節句とカルピス」の新聞広告を初めて掲載 |
5月3日 | 米国でニューヨークーカルフォルニア州サンティエゴ間の無着陸横断飛行に成功。初の無着陸大陸横断飛行 |
5月8日 | 小作制度調査会発足。小作組合法を始めとする小作法の調査・立案を行う |
5月9日 | 文部省が常用漢字を改訂。「辯」が「弁」、「證」が「証」など略字が当てられ、当時2600文字あったも漢字が1963文字まで節減される |
5月9日 | 北一輝が改造社から「日本改造法案大綱」を刊行。国家改造を論じ、青年将校たちに多大な影響を与える |
5月9日 | 新潟県木崎村の地主が小作料減額に応じず、小作人に対して小作料請求の訴訟を起こす |
5月9日 | 米ニューヨーク州議会が禁酒法撤廃を可決 |
5月10日 | 早稲田大学で軍事研究団発足。軍事教育研究のため、陸海軍将校を講師として迎える |
5月10日 | スイス・ローザンヌで開催中の国際会議で、ソ連代表団1名がスイス人に暗殺される。ソ連とスイスの関係が悪化 |
5月11日 | 東邦電力川上川第四発電所が全自動発電所として発電開始 |
5月12日 | 早稲田大学で軍事研究団と軍事教育反対派の学生たちが大乱闘 |
5月13日 | 東京・御茶ノ水で動力利用展覧会開催。汽車や自動車、自動耕運機などが展示される |
5月15日 | 早稲田大学の軍事研究団が解散に追い込まれる |
5月15日 | 白木屋神戸店が床をタイル張りとし、百貨店としては初の土足入店を実施 |
5月19日 | 独ルール地方で鉱山労働者40万人がスト |
5月21日 | 第六回極東選手権競技大会開催 |
5月22日 | 内務省が労働統計実施調査会を発足し、本格的な労働統計調査を開始 |
5月23日 | 秩父宮雍仁親王が極東選手権の蹴球を観戦。前半は善戦するもフィリピンを相手に1-2で敗戦 |
5月23日 | 米ニューヨークアポロ劇場で上演された演劇が猥褻行為であるとして、劇場オーナーが有罪判決を受ける。演劇検閲で有罪は30年ぶり |
5月26日 | 東京丸の内で日本郵船ビルディングが竣工。当時日本最大のオフィスビル |
5月26日 | 独ルール地方デュッセルドルフで、仏軍がストを主導した独軍将校を銃殺刑に処する |
5月26日 | トランスヨルダン首長国成立。国王にアブドゥッラー1世就任 |
5月26日 | 仏パリ南西部ル・マンで24時間レース開催。1周17.261キロのコースを128周する、過酷な耐久レース。第一回優勝はフランス |
5月27日 | ヘンリー・キッシンジャー生誕。米政治学者。米国の国家安全保障問題に長年携わり、国務長官も歴任。米国の実益を中心とし、国際的バランスに配慮する現実的な外交を主導 |
5月某日 | 佐伯矩の指導により東京市の私立小学校が給食を開始 |
6月1日 | 中国・長沙で中国人学生たちが日本商船入港反対運動を行い、海軍陸戦隊と衝突。長沙事件 |
6月2日 | インド独立運動家、ラス・ビバリー・ボースが日本に帰化 |
6月4日 | 大山倍達生誕。空手家。極真空手を創設し、カラテの普及に貢献。「空手バカ一代」のモデルとして、半ば伝説視される |
6月4日 | 伊藤富士雄没。救世軍士官。娼妓解放運動に身を投じ、生涯で987名の娼妓を自由廃業させた |
6月5日 | 堺利彦、山川均ら共産党員29名が要人暗殺を企てたとして、治安警察法の秘密結社罪で起訴される。第一次共産党事件 |
6月5日 | ドイツのインフレが天文学的数字に突入 |
6月5日 | 鳥潟右一没。無線通信士。TYK式無線電話を共同開発し、無線電話機の実用化に成功 |
6月6日 | 長沙事件による治安悪化で、在留邦人が引き揚げ開始 |
6月8日 | 仏ジョルジュ・クレマンソー首相が、独ルール地方占領について、消極的抵抗の続く限りは話し合いに応じないと声明 |
6月9日 | 有島武郎が波多野秋子と心中 |
6月12日 | 鉄道省が9900型蒸気機関車(D50型機関車)を完成 |
6月13日 | フランスが独ルール地方に関税障壁を設置 |
6月14日 | 英国で離婚法改正。夫の不義を理由とする離婚が可能となる |
6月18日 | 伊シチリア島エトナ火山が大噴火。カスティリオーネ地方が壊滅的被害を受ける |
6月20日 | 天龍館創設。「養命酒」の発売が始まる |
6月25日 | 浄土真宗本願寺派有志が黒衣同盟を組織。差別廃止などの教団改革を要求 |
6月27日 | ローマ教皇ピウス11世がドイツ賠償問題について、慈悲の精神で再検討するように訴える |
6月29日 | 東京浅草花屋敷で虎の子供が誕生。日本初 |
6月29日 | ソ連極東部代表のヨッフェとの非公式の日ソ国交回復交渉開始 |
6月某日 | 醸造家の竹鶴政孝が寿屋と10年契約を締結。ウイスキー製造に着手 |
紙切れになったマルク紙幣で遊ぶ子供
ミュンヘン一揆を主導したヒトラーとルーデンドルフ
7月1日 | 東京-下関間に三等車だけで編成された三等特急列車が運行開始。列車利用の大衆化が進む |
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7月5日 | 久松伯爵家が松山城を松山市に寄付 |
7月6日 | ソ連が連邦国憲法を制定。ソヴィエト連邦が成立 |
7月7日 | 日比谷音楽堂が完成 |
7月10日 | 日本航空設立。大阪ー別府間で定期航空を開始。定期輸送を目的とする初の航空会社 |
7月10日 | 伊ムッソリーニ政権が非ファシスト政党の全てに解散命令を出す |
7月11日 | 仏パリから強制送還された大杉栄が神戸港に到着 |
7月12日 | 英国がフランス・ベルギーに対し、独ルール地方の占領中止を要請 |
7月19日 | 三波春夫生誕。演歌歌手。戦後歌謡界を代表する歌手。大阪万博のテーマソングである「世界の国からこんにちは」で有名 |
7月21日 | 鐘紡が7割配当を発表。紡績業界の好調続く |
7月24日 | トルコと連合国がローザンヌ条約を締結。トルコがアラブ地方を放棄し、キプロス島を英国に割譲。トルコ政府は治外法権撤廃と軍備制限解除を得て、国際的に承認される |
7月24日 | 日ソ非公式予備交渉が打ち切り。尼港事件賠償や樺太利権問題で歩み寄りがなく、合意に至らず |
7月26日 | 新潟県木崎村の小作人組合が日本農民組合関東同盟に加入 |
7月27日 | 摂政宮裕仁が富士登山。登山口で富士の樹木に興味を示す |
7月28日 | 村山知義、柳瀬正夢ら前衛美術家グループ「MAVO」が浅草伝法院で展覧会開催 |
7月31日 | 佐世保海軍工廠で軽巡洋艦「夕張」竣工。船体軽量化のためにボイラーを重油専焼とし、節減した重量を兵装に回した。小型で安価で強力な新型巡洋艦。平田譲海軍少将の最高傑作と称される |
7月31日 | 独マルクが1ドル110万マルクに暴落 |
7月31日 | 英国が18歳未満の未成年へのアルコール飲料販売禁止法を可決 |
7月某日 | 米ニューヨーク、コスモポリタン劇場が世界初のネオンサイン広告を出す |
8月2日 | 独国立銀行が公定歩合を30%に引き上げ |
8月2日 | ウォレン・ハーディング没。現職米大統領。全国遊説中に心臓発作で急死 |
8月3日 | カルビン・クーリッジ副大統領が大統領に就任 |
8月5日 | 三越デパートでバーゲンセール開催 |
8月5日 | 山本宣治京大教授が「性教育」を刊行 |
8月6日 | 朝日、毎日ら大手新聞社が使用漢字制限の共同社告を行う |
8月7日 | 司馬遼太郎生誕。小説家。戦国、江戸、幕末、明治時代を題材とした歴史小説を多く執筆。歴史を物語のように解釈し、斬新で新しい視点をもたらした。日露戦争期を理想視する「司馬史観」が今でも影響を与えている |
8月8日 | 馬券販売、配当を扱う中央パリミュチュエル設立 |
8月9日 | 秋田県能代遊廓の芸妓見習いが虐待を受けて自殺。それを知った人々が激昂し、暴徒となって能代遊廓を破壊 |
8月11日 | 英ジョージ・カーゾン外相が、フランスの独ルール占領はヴェルサイユ条約違反であると声明 |
8月11日 | ソ連極東部代表のヨッフェが帰国 |
8月12日 | 社民党の不信任表明によって独クーノ内閣が総辞職 |
8月13日 | 独人民党のグスタフ・シュトレーゼマンが社民党と大連立内閣を組織 |
8月15日 | 独ワイマールでバウハウス展開催。バウハウス創設以来の建築と芸術の成果を発表 |
8月16日 | 第九回全国中等学校優勝野球大会開催(〜8月20日)甲陽中が優勝。開会式で祝賀飛行が行われ、始球式用のボールが飛行機から投下される。朝鮮人だけで編成された徽文高等普通学校が参加 |
8月17日 | 米クーリッジ大統領がドイツ賠償金問題に対し、援助を申し出 |
8月21日 | 神戸で試運転の潜水艦が淡路島沖で沈没。59日後に引き揚げ |
8月22日 | 競馬協会が解散し、帝国競馬協会設立 |
8月23日 | 連合国がイスタンブールから撤退 |
8月24日 | 加藤友三郎没。現職総理大臣。海軍大臣として軍縮を主導 |
8月25日 | 内田康哉外相が臨時首相に就任。加藤内閣総辞職 |
8月27日 | 元老西園寺公望が後継首班に山本権兵衛を奏薦。山本に組閣の大命降下 |
8月27日 | ギリシャ・コルフ島で、イタリアの将軍が暗殺される |
8月28日 | 盲学校及び聾唖学校令公布。各府県に盲学校・聾唖学校設置 |
8月29日 | 新国劇一座が賭博容疑で逮捕。妬みからの誣告ではないかと噂される。9月1日に拘留執行停止処分 |
8月31日 | イタリアがギリシャ領コルフ島を報復占領 |
8月某日 | 真野房子が「真野美容園」を開業。回転椅子が人気を呼ぶ |
9月1日 | 相模湾沖を震源地とするマグニチュード7.9の大激震が関東地方を襲う。火災により日本橋、浅草、本所、神田、深川が壊滅的被害。死者10万人以上。全壊家屋10万戸以上。全焼家屋20万戸以上。関東大震災 |
9月1日 | 本所・被服本廠跡で火災旋風発生。3万人以上の避難民が焼死 |
9月1日 | 内務省、大蔵省、文部省、逓信省、鉄道省、警視庁本庁舎が焼失。首都機能が麻痺 |
9月1日 | 浅草・凌雲閣(十二階)が地震により8階部分が折れる形で倒壊 |
9月1日 | 神奈川県根府川駅で地震による地滑りが発生。駅舎、ホームと、入線中の列車もろとも海まで流され、112名が死亡 |
9月1日 | 皇族の閑院宮寛子女王、東久邇宮師正王、山階宮妃佐紀子女王が静養先で建物倒壊に巻き込まれ死亡 |
9月1日 | 松岡康毅没。日本大学総長。検事総長、農商務大臣、枢密顧問官を歴任。建物倒壊により死亡 |
9月1日 | ウィリアム・ヘーグ没。英外交官。横浜総領事。イングランドサッカー協会から日本サッカー協会への大銀杯寄贈を仲介。日本サッカーの振興に貢献。建物倒壊により死亡 |
9月2日 | 朝鮮人が井戸に毒を流した等の流言蜚語が飛び交い、各地で自警団が組織され、朝鮮人虐殺を開始 |
9月2日 | 内田内閣が枢密院に諮詢せずに、緊急勅令で戒厳令を東京府全域に施行 |
9月2日 | 山本内閣成立。赤坂離宮庭園で親任式が行われる 総理大臣:山本権兵衛 外務大臣:山本権兵衛 – 伊集院彦吉 内務大臣:後藤新平 大蔵大臣:井上準之助 陸軍大臣:田中義一 海軍大臣:財部彪 司法大臣:田健治郎 – 平沼騏一郎 文部大臣:犬養毅 – 岡野敬次郎 農商務大臣:田健治郎 – 岡野敬次郎 逓信大臣:犬養毅 鉄道大臣:山之内一次 内閣書記官長:樺山資英 法制局長官:馬場鍈一 – 松本烝治 |
9月3日 | 関東戒厳司令部条例公布。福田雅太郎陸軍中将が戒厳司令官に就任 |
9月3日 | 朝鮮人運動家の朴烈と、その愛人の金子文子が予防検束される |
9月3日 | 内務省警保局長名義で各地方長官に対し、朝鮮人の暴動に対し厳密に取り締まるよう電報を送る。全国に流言飛語が拡散 |
9月3日 | 戒厳が神奈川県に拡大 |
9月3日 | 朝鮮人・中国人を収容する神奈川県鶴見分署を自警団が包囲。引き渡しを迫る自警団に対し、大川常吉署長が説得し、朝鮮人・中国人保護に成功 |
9月4日 | 東京・亀戸警察署が川合義虎や平沢計七ら社会主義者を捕らえ、習志野騎兵隊に殺害される。亀戸事件 |
9月4日 | 埼玉県の本庄町、熊谷町で自警団が暴徒化して警察署を襲撃。県外護送中の朝鮮人が虐殺される |
9月5日 | 山本内閣が朝鮮人迫害を諌める告論を発する |
9月5日 | 内務省が地方長官に対し、流言を広める新聞記事差し止めを命令 |
9月5日 | 戒厳司令部が午後9時以降の外出を禁止 |
9月5日 | 群馬県藤岡警察署に保護された朝鮮人労働者を、自警団や暴徒が虐殺。藤岡事件 |
9月6日 | 後藤内相が帝都復興の儀を発議。総額35億円の帝都復興計画が興る |
9月6日 | 乗合馬車が復活。市電壊滅の中で市民たちの交通手段として重宝される |
9月6日 | 千葉県福田村で香川県の行商団が朝鮮人に間違われ、虐殺される。福田村事件 |
9月7日 | 緊急勅令で治安維持令、暴利取締令、支払猶予令が公布される。暴行や流言飛語に対し重罰を科す治安維持令により、治安回復が図られる |
9月9日 | 東京市電が運転を再開 |
9月10日 | 松竹が蒲田撮影所の大半を京都下加茂に移転 |
9月12日 | 帝都復興に関する詔書発布。遷都案を退けるとともに、速やかに帝都復興を審議調査し、それを枢密院や立法府に諮るべきと述べた |
9月12日 | 中国の震災救助船が神戸に入港 |
9月12日 | 日本で活動中の中国人社会運動家、王希天が陸軍軍人に殺害される。陸軍は事件を隠蔽。戦後関係者の証言により、事件の詳細が明らかに |
9月12日 | 英国が南ローデシアを英直轄植民地に併合 |
9月13日 | 横浜にソ連の震災救助船「レーニン号」入港。震災に乗じた反体制運動を恐れた官憲により、即日退去が命じられる |
9月13日 | スペインでプリモ・デ・リベラ将軍がクーデター。王室の支持の下に、伊ムッソリーニ式の強権政治を目指す |
9月15日 | 独国立銀行が公定歩合を90%に引き上げ |
9月15日 | 米オクラホマ州がKKK団制圧のために戒厳令を布告 |
9月16日 | 無政府主義者・大杉栄と、同棲中の婦人運動家・伊藤野枝、大杉の甥・橘宗一が甘粕正彦憲兵大尉ら憲兵に殺害される。甘粕事件 |
9月18日 | 米国の震災救助船が横浜に入港 |
9月19日 | 帝都復興審議会設置。山本首相を総裁、後藤内相を幹事長に、各国務大臣、枢密顧問官、政財界関係者が委員に就任 |
9月19日 | 快楽亭ブラック没。オーストラリア生まれの外国人落語家 |
9月22日 | 東京瓦斯がガスの一部供給を再開 |
9月24日 | 崩落寸前であった浅草凌雲閣が解体される |
9月25日 | 東京市が震災の炊き出しを終了 |
9月26日 | 独シュトレーゼマン内閣が、ルール地方における消極的抵抗の無条件中止を布告 |
9月27日 | 帝都復興院設立。総裁に後藤新平内相就任。内務省、鉄道省から官僚や技術者を集め、復興計画が練られる |
9月27日 | 英国の圧力を受け、イタリアがコルフ島から撤退 |
9月28日 | エチオピアが国際連盟に加盟 |
9月29日 | 東京御徒町にダイヤが埋まっていると噂が広がり、市民が殺到 |
9月29日 | 英国がパレスティナの連盟信託委任統治を開始 |
9月30日 | 隆慶一郎生誕。小説家。歴史小説を中心に執筆し、その中でも、前田慶次を題材とした「一夢庵風流記」で後世の傾奇者のイメージを作り上げた |
9月某日 | 警視庁が私娼横行を防ぐために、芸妓や待合のバラック営業を許可 |
焼け野原となった東京市
西郷隆盛像に貼られた尋ね人
10月1日 | 大日本雄弁会講談社が「大正大震災大火災」を出版。震災の混乱の中、的確な情報を伝えるため、グラフィックの要素を重視した編集。わずか半月で完売 |
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10月1日 | 震災を免れた東京小石川・白山花町が営業再開。各花街を焼き出された芸妓たちが白山花町に集まり、白山ブームが訪れる |
10月1日 | ドイツでレンテン銀行設立 |
10月1日 | 英国が南ローデシアを自治政府に |
10月4日 | 警視庁が自警団取締規則を発表 |
10月5日 | 直隷派の曹錕が中国大統領に就任 |
10月5日 | 矢野徹生誕。SF作家。冒険小説「カムイの剣」作者。PCゲーム「ウィザードリィ」にハマり、そのエッセイ「ウィザードリィ日記」で日本にRPG文化を普及させた |
10月6日 | 都市計画の権威、チャールズ・ビアード博士が東京市復興建設顧問として来日 |
10月11日 | オーストラリアの震災救助船が横浜に入港 |
10月13日 | 大日本火災保険協会が罹災地の保険契約高を14億円と発表。火災保険の約款には「地震・噴火」による火災の損害の責任はないと明記しており、保険業者は支払いを拒否するも、罹災者は保険料支払いを求めてデモ行進 |
10月14日 | トルコがアンカラを首都に制定 |
10月15日 | 山本首相が普選断行のために、閣僚たちを普選準備調査委委員に任命 |
10月17日 | 罹災者慰安の為に、日比谷公会堂で沢田正二郎が勧進帳を上演 |
10月19日 | 東京・本所の被服廠跡にて、震災遭難者追悼の大法要が開催される |
10月19日 | 独バイエルン州政府が、ナチス機関紙発行停止処分に反対を表明 |
10月20日 | 東京朝日新聞に樺島勝一の「正チャンノボウケン」連載開始。初の新聞連載四コマ漫画 |
10月20日 | 米ベルモントパーク競馬場においてケンタッキーダービー馬のゼヴと英ダービー馬のパパイラスのマッチレース開催。初の大西洋間国際交流レース。ゼヴが優勝を飾る |
10月21日 | フランス・ベルギーの後援で独アーヘンにラインラント共和国樹立 |
10月21日 | 独ミュンヘン博物館に世界初のプラネタリウム開設 |
10月22日 | 警察官・消防士官制改正公布。必要に応じて警官の拳銃携帯が認められる |
10月23日 | 独ハンブルクで共産主義者が蜂起。2日後に鎮圧 |
10月27日 | 後藤復興院総裁が5ヶ年13億円の復興予算を閣議に提出。主に幹線道路と大公園整備に充てられる |
10月27日 | 東京株式取引所が再開される |
10月28日 | 東京・新宿追分に三越マーケット開店 |
10月28日 | 東海道線が全線で復旧 |
10月29日 | トルコが共和制に移行。トルコ共和国誕生。ムスタファ・ケマルが初代大統領に就任 |
10月29日 | ドイツで初のラジオコンサート開催。独民間放送局が放送権を3兆5000億マルクで購入し、実現 |
10月30日 | アンドリュー・ボナー・ロー没。英国の政治家。大蔵大臣や総理大臣を歴任。病気を理由に23年に辞任 |
11月1日 | 安田財閥系銀行11社が合併して安田銀行が発足 |
11月1日 | 東京赤坂の乃木邸跡地に乃木神社創建。明治天皇に殉じた乃木希典将軍を祀る顕彰神社。周囲の幽霊坂が乃木坂と改称される |
11月1日 | 独マルクが1ドル1300億マルクまで暴落。ドイツでハイパーインフレが発生 |
11月3日 | 警視庁が各署に自警団の解散を指示 |
11月6日 | 米ジェーコブ・シックが電気カミソリの特許を取得 |
11月7日 | 世界的バイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツ来日。日比谷音楽堂で被災者のためにチャリティーコンサートを開催 |
11月8日 | 独ミュンヘンで州政府転覆を計る武装蜂起発生。アドルフ・ヒトラーが主導。ミュンヘン一揆 |
11月8日 | 大森房吉没。地震学者。帝大教授として地震研究を率いる |
11月9日 | ミュンヘン一揆が鎮圧される |
11月10日 | 国民精神作興に関する詔書が発せられる。教育勅語と戊申詔書を引き、社会・思想に対する振興を呼びかける |
11月11日 | 寿屋が山崎蒸留所を開設。国産ウィスキーの歴史が始まる |
11月11日 | ヒトラーが独バイエルン郊外ウフィングで逮捕される |
11月12日 | 米大審院が排日土地法を護憲と判決 |
11月13日 | 日本基督教連盟創立 |
11月13日 | 独ライヒ通貨委員に財政専門家のヒャルマル・シャハトが就任 |
11月14日 | 伊ムッソリーニ政権が選挙法を改正。得票数4分の1以上の第一党に3分の2の議席を与える内容 |
11月14日 | 島田三郎没。雄弁な代議士として有名。度々政府弾劾を行い、特にシーメンス事件の追求で活躍 |
11月15日 | 関東の戒厳が解除される。戒厳司令部に代わり、東京警備司令部が設置される |
11月15日 | 日活が撮影所を京都西園村に移転。京都に日本の映画産業が集中 |
11月15日 | ピアード博士が帰国。帝都復興院の都市計画に暗雲 |
11月15日 | 独マルクが1ドル4兆2000億マルクまで下落。パンを買うために手押し車で札束を運ぶ姿が見られ、価値のなくなった紙幣が壁紙や薪がわりにされた |
11月15日 | ドイツが臨時貨幣レンテンマルクを発行。1兆マルクを1レンテンマルクと交換するデノミを断行。全産業の資産を担保とし、32億レンテンマルクまで保証することで貨幣信用が回復し、インフレが終息した。レンテンマルクの奇跡 |
11月18日 | 大日本ホッケー協会設立 |
11月20日 | 大阪府下の中学校長会が次年度入試試験の学科試験を全廃し、心理テスト採用を決議。小学生の試験競争の緩和策。反対論に押され、後に撤回する |
11月21日 | 震災復興予算について後藤復興院総裁と井上準之助蔵相が折衝。予算を7億円まで縮小 |
11月22日 | 政府が火災保険一割支払いを決定。政府が保険会社に保険料の1割を見舞金として払い、必要な資金を年2%の低金利で貸し付けるという妥協案 |
11月23日 | 新潟県木崎村の小作人組合が他の農民組合と連携。木崎村農民組合連合会成立 |
11月23日 | 独社会民主党の不信任投票でシュトレーゼマン内閣総辞職 |
11月23日 | 独フォン・ゼークト国軍総司令官が共産党とナチスの非合法化を命令 |
11月23日 | 白井義男生誕。プロボクサー。1952年に世界フライ級王座に挑戦し、王者ダド・マリノに勝利。以降、王座を4度防衛。その活躍は戦後の日本人に勇気を与えた |
11月24日 | 帝都復興審議会にて伊東巳代治委員が復興案に猛反対の大論陣。銀座・日本橋の土地譲渡を強要する復興案に違憲を主張。インフラ復旧の優先を主張 |
11月24日 | 公娼廃止デー開催。一万人近い署名が集まる |
11月27日 | 帝都復興審議会に伊東が各委員の意見を忖度した修正案を提出。道路路線・幅員計画を縮小し、復興予算を6億円まで削減。復興院が修正案を容れて、計画を変更 |
11月26日 | 報知新聞で麻生豊の4コマ漫画「のんきな父さん」連載開始。大人に愛され、玩具や生活用品のキャラクターに用いられた。政治家の町田忠治が主人公に似ており「ノントウ」の愛称を得る |
11月某日 | 今井善次郎が接着剤「セメダイン」を発明。セメントと「セメ」と「ダイン」を組み合わせた造語 |
12月1日 | 築地魚河岸の仮市場が開場 |
12月1日 | 吉原遊廓が営業を再開 |
12月2日 | 英総選挙で保守党が第一党を維持するも、単独過半数割れ |
12月4日 | 香川県大田村伏石の小作争議で、小作人側が共同で稲を刈り取って保管すると地主に通達 |
12月5日 | 宮内省が女官の源氏名を廃止 |
12月6日 | 憲政会が革新倶楽部との合同交渉打ち切りを決定 |
12月6日 | 山本首相が政友会と会談し、普選成立回避の約束を交わす。閣内において普選賛成派の犬養・後藤の影響力が低下 |
12月8日 | 軍法会議にて甘粕正彦憲兵大尉に懲役10年の判決 |
12月9日 | 王子製紙がインディアンペーパー製造に成功 |
12月10日 | 東京帝大理学部に地震学科が独立。関東大震災を予知した今村明恒が地震学の教授に昇進 |
12月10日 | 矯風会が吉原・洲崎遊郭復興に反対し、公娼全廃運動を展開 |
12月11日 | 第47回臨時議会(-12月23日閉会) 帝都復興について審議 |
12月11日 | 罹災者慰安のために上野動物園が無料公開される |
12月12日 | レイモン・ラディゲ没。仏小説家。20歳にも満たない年齢で「肉体の悪魔」を執筆し、心理小説家として圧倒的名声を得た。牡蠣にあたり腸チフスで死亡。生前に世に出した作品は僅か2作 |
12月13日 | 呉海軍工廠で建造中の戦艦「加賀」を、ワシントン条約適用外の航空母艦に改装 |
12月15日 | 東京・目黒競馬場にて馬券復活最初のレース開催 |
12月15日 | 日豊線、小倉ー鹿児島間全通。九州環状線完成 |
12月16日 | 大杉栄の遺骨が右翼団体によって強奪される |
12月20日 | 逓信省が放送の私設を許可 |
12月20日 | 森永製菓が銀座キャンデーストアー開店 |
12月20日 | 大阪の印刷所で3億円分の紙幣印刷を開始。民間の紙幣印刷は初 |
12月21日 | 英・ネパール永久修好条約調印。首都カトマンズに英国全権公使が駐在 |
12月22日 | 衆議院特別委員会が火災保険貸付法案の審議中止を議決。火災保険一律1割支払いでは高額契約者に有利であると政友会が反対し、審議未了で不成立 |
12月22日 | 東京-渋谷間にSL急行電車が運行 |
12月22日 | 独ライヒスバンク(中央銀行)総裁にシャハト就任 |
12月23日 | 東京蹴玉団が、震災で亡くなった元横浜総領事ヘーグの追悼試合を開催 |
12月24日 | 帝都復興法、特別都市計画法公布。帝都復興院廃止が決定し、復興予算が4億7千万円で確定 |
12月24日 | 田健治郎農商相が火災保険貸付法案不成立の引責で辞任 |
12月25日 | 第48回議会(-翌1月31日解散) |
12月27日 | 無政府主義者の難波大助が東京虎ノ門付近で摂政宮裕仁を狙撃。摂政宮は無事。虎ノ門事件 |
12月28日 | アレクサンドル・エッフェル没。仏技術者。世界の橋や駅などを手掛ける。エッフェル塔設計で有名 |
12月29日 | 海軍が初の航空機用エンジン開発に成功 |
12月29日 | 独国立銀行が公定歩合を10%に引き下げ |
12月29日 | 河野広中没。自由民権運動・普選運動家として活躍。開院勅語に対する奉答文の中で政府を弾劾し、衆議院を解散させた事で有名。日比谷焼き打ちを扇動 |
12月30日 | 山本内閣総辞職。虎ノ門事件の引責 |
某月 | ダンロップ護謨がダンロップ水枕を発売。金型を使用し、継ぎ目のない高品質なゴム製品。熱冷ましに効果のある水枕。後に流感が猛威を振るった際に大ヒット |
某月 | 寺尾新博士がエビの新種ショウジョウエビを発表。皇太子祐仁が沼津御用邸海岸で採集した新種 |
某月 | 松下電器器具製作所が砲弾型電池式ランプを発売。自転車の夜間照明器具で、電池寿命が50時間続く画期的製品 |
某月 | 東京の蕎麦屋がテーブルを採用。カレーライスやカツ丼の提供を始める |
某月 | つちや足袋(現ブリヂストン)が地下足袋を発売。農民や職人の必需品に |
某月 | 菊池武範が菊池製作所(現タイガー魔法瓶)を創設。虎印魔法瓶の製造を開始 |
某月 | 奈良県の金魚屋が朝鮮半島からライギョを持ち帰る。飼えなくなった人が川に放流し、生態系を破壊 |
某月 | 田尾多三郎が横浜にバー「パリ」を開業。カクテル「チェリーブロッサム」を考案 |
某月 | 英国がサッカークジ「toto」の発売を開始 |
某月 | 仏建築家ル・コルビュジエが論文集「建築をめざして」を出版。近代建築を開拓 |