1923年4月5日 浅草七軒町に「日賀志屋」創業。国産カレー粉の誕生

注釈

明治の三大洋食として国民に愛されたのがコロッケ、カツレツとカレーである。

大正時代にカレーは日本風にアレンジされ、栄養面でも調理面でも高い評価を得て、軍隊食にも採用された。

1920年、山崎峰次郎は神田の西洋料理店でカレーに出会い、魅せられ、自らの手でカレーを作ろうと「日賀志屋」(現S&B食品)を興して一念発起した。

この屋号は「一日一日を賀び、志を立てて商売に勤しみ励む」という信条である。

当時カレー粉といえば英国のC&B社のものしかなく、そのレシピは知る由がなかった。

山崎はブレンドされたスパイスを一から組み立てる作業を繰り返した。

ついには熟成というプロセスまで解き明かし、輸入品と遜色ない国産カレー粉を生み出した。

こうして山崎は業務用国産カレー粉を販売するが、味の変わることを恐れた業者はなかなか国産カレー粉に切り替えなかった。

国産カレー粉が広く受け入れられるには、昭和を待たねばならなかった。


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