1923年6月5日 ドイツのインフレが天文学的数字に突入

注釈

重工業の中心地であるルール地方をフランス・ベルギーに占領されたドイツ政府は、消極的抵抗を訴え、労働者のストライキを支援した。

その際、スト実施中の労働者の賃金を国が肩代わりしたことが問題であった。

ただでさえ生産活動が停止し、失業者が急増している中、ストで抵抗する企業や労働者を支えるために、ドイツ造幣局が不眠不休でマルク紙幣を印刷し続けた。

その結果、マルクの信用は急落し、インフレが急加速した。

そしてついに、ドイツ中央銀行のルドルフ・ハーフェンシュタイン総裁が、マルク通貨の維持の見通しが立たないと明らかにした。

もはや商業取引はまともに成立せず、多くの事業が破産に追い込まれ、中産階級や労働者の賃金は購買力を喪失した。


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