1915年6月27日 第一回漫画祭開催

注釈

東京朝日新聞紙上において風俗や政治を漫画で風刺し、そこに軽快な文章をつけた漫画漫文というスタイルで人気を博したのが岡本一平である。

岡本が画期的であったのは、単なる社会・政治の風刺ではなく、取材対象の人間性そのものを風刺する、高い表現力にあった。

大阪一の芸者に会いに行った際の体験談「富田屋八千代を観るの記」の連載が、その通俗かつ軽妙な内容が評判を呼び、岡本は一躍漫画界のリーダーとなった。

1915年、岡本は東京美術学校の同期だった読売新聞の近藤浩一路、国民新聞の池部釣、時事新報の北沢楽天などに呼びかけ、東京漫画会を結成し、漫画の存在を社会にアピールした。

それまで戯画、ポンチ絵などと新聞のカットに過ぎなかった漫画の地位は、東京漫画会が全国で漫画展や漫画祭を開くことで、その地位を上げていったのである。


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