1912年10月20日 警視庁がジゴマ映画の上映を禁止

注釈

ジゴマはフランスの探偵活劇映画の主人公であり、パリを舞台に銀行や豪邸、オペラ座を襲撃し、犯行の後にZの一文字を残すという怪盗であった。

ジゴマを題材とした映画は、弁士の名調子、軽快な演奏、大胆なアクションが大いに人気を博し、どの映画館も大盛況となった。

ジゴマの大ヒットを受け、ジゴマを模倣した映画が日本でも作られ、探偵や怪盗小説が刊行された。

ジゴマ熱は高まり、ジゴマを真似た犯罪や、子供が厚紙で作ったピストルでジゴマごっこをするなど、ジゴマ現象が現れ始めた。

悪戯を働くことを「ジゴマる」と呼ばれるようになったほどである。

ジゴマ映画は犯罪を助長するのではないか。

何故、ジゴマを取り締まらないのか。

このような新聞投書から端を発し、ついに警視庁はジゴマ映画が犯罪を煽っているとして、上映禁止を決定。

この際に、本物のジゴマ映画だけでなく、類似した探偵物や犯罪物もと言った和製ジゴマもまとめて禁止となった。

ジゴマ映画の解禁は4年後の事である。


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