1915年12月2日 ラス・ビハリ・ボーズが中村屋に匿われる

注釈

ラス・ビハリ・ボーズはインド革命党員としてインド独立運動に身を投じる闘士であった。

当時、日本において再起を図っていたボーズであるが、官憲はボーズをドイツのスパイであると疑い、12月2日付で国外退去を命じた。

ボーズはラホール反乱の首謀者である事から、日本から離れれば英国の官憲に捕まり、死罪となることは確実であった。

これに憤ったのが相馬愛蔵・黒光夫妻である。

相馬夫妻は新宿でパンを販売する中村屋を経営しており、そのパンの評判から多くの芸術家や文化人、はたまた国家主義者が顔を見せるようになった。

次第に中村屋は一種のサロンを形成するようになった。

ボーズの匿う場所を頭山満が探していると聞いた相馬は、店の裏手にあるアトリエが空いていると示唆。

国外退去の当日、ボーズは警備の隙をついて逃亡し、中村屋に匿われることになった。

後にボーズは日本に帰化して相馬家の娘と結婚し、日本においてインド独立のための活動を続けることになる。

なお、中村屋はこの縁からインドカレーを販売し、これがまた評判を呼ぶことになる。


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