1914年12月20日 東京駅開業
1896年、議会にて中央停車場建築が可決され、建築予定地として皇居の正面に広がる原野が定められた。
中央停車場には国家の中央駅、帝都の玄関口として荘厳な佇まいが求められた。
当初、お雇いドイツ人のフランツ・バルツァーは日本の伝統的な城郭・寺院を思わせる純和風の意匠を持つ設計を行った。
鉄道関係者は駅舎の基本構造は採用したものの、バルツァーのデザインを容れなかった。
後藤新平鉄道院総裁は、ロシアを負かした日本に相応しい、世界があっと驚くような駅であるべきと注文した。
そこで新たな設計者として登用されたのが、辰野金吾である。
辰野は辰野式ルネッサンスの異名をとるデザインの持ち主であった。
辰野のデザインにより建築費は当初から7倍に膨れ上がったが、現在も東京のシンボルとして愛されるルネッサンス様式の赤レンガの駅舎は、天皇の駅として相応しい荘厳さであった。
開業式式典には大隈首相や阪谷東京市長の挨拶が続く中、品川駅から青島攻略を指揮した神尾光臣中将を乗せた電車が到着。
神尾将軍が東京駅皇室専用乗降口から駅前広場に現れるという、東京駅開業と青島攻略指揮官の東京凱旋をセットにするという演出に観衆は湧いた。
なお、神尾将軍の凱旋に合わせて工事を急ピッチで行なった為、東京駅の電車の運行は故障続きであり、正式な利用は翌年に延期される事になった。
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