1915年4月26日 芸術座が「その前夜」を上演。劇中歌の「ゴンドラの唄」が大流行

注釈

前年、芸術座が上演した「復活」は、劇中歌の「カチューシャの唄」が流行った為に全国で爆発的な人気を呼び、京都南座では3日連続の札止めになるなど、公演全てで大成功を収めた。

そこで演出家の島村抱月は、カチューシャの唄を作曲した中山晋平に、再び「前夜」の劇中歌の作曲を依頼した。

「命短し 恋せよ乙女 紅き唇 あせぬ間に」

このような印象的な歌詞から始まる哀愁のメロディは、カチューシャの唄に続いて大ヒットした。

カチューシャの唄、ゴンドラの唄のヒットで芸術座の松井須磨子は当世きっての大女優となった。

以降、芸術座は台湾や朝鮮、ロシアでも公演を開くことになる。

後に黒澤明は映画「生きる」の中で、主演の志村喬にゴンドラの唄を歌わせている。

それほどまでにこの唄は当時の人々の心に残ったのである。


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