1916年9月5日 米ニューヨーク・リバティ劇場で「イントレランス」封切り

注釈

現代の貧民街でストライキを起こした労働者の虐殺、古代バビロニアの崩壊、キリストが磔にされたゴルゴダの丘、パリのセントパーソロミューの虐殺。

これら、4つの異なる時代の物語を描き、歴史上繰り返される偏見と不正の残虐な歴史を描いた一大叙事詩、それがイントレランスである。

監督を務めたDWグリフィスは、前作の「国民の創生」で得た収益を惜しみなくつぎ込み、カットバックやクローズアップなどの技術を駆使して、映画史に残る一大スペクタクルを作り上げた。

特に、古代バビロニアの宮殿のセットは、2年がかりで奥行き1600mもある豪勢なもので、細部まで装飾が施された。

この撮影のために、スタッフやエキストラのための鉄道まで敷き、グリフィスは気球に乗って空中から指示を出したという。

ただし、映画自体は不寛容の罪深さを描いた主題が観客に受けず、興行的には成功しなかった。


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