1913年 (大正2年)
内閣 | 第三次桂内閣-第一次山本内閣 |
---|---|
軍部 | 陸軍大臣:木越安綱 – 楠瀬幸彦 参謀総長:奥保鞏 – 長谷川好道 海軍大臣:斎藤実 軍令部長:伊集院五郎 |
宮中 | 内大臣:伏見宮貞愛(内大臣府出仕) 宮内大臣:渡辺千秋 侍従長:鷹司煕通 枢密院議長:山県有朋 |
貨幣価値 | 1円=1044円 |
国家予算 | 歳入 721,975 / 歳出 573,634 / 軍事費 192,295(予算比率33.5%) ※ 単位は1000円 |
1月1日 | 大阪朝日新聞が元日紙面に、見開き2ページの世界飛行旅行すごろくを掲載 |
---|---|
1月3日 | トーマス・エジソンが活動写真と蓄音機を組み合わせたキネトホンを発明。映像と音声をリンクさせたトーキー映画を公開 |
1月5日 | 東京で全国かるた競技大会開催 |
1月6日 | バルカン戦争和平交渉においてバルカン諸国側がアドリアノープル、エーゲ海諸島の割譲要求。トルコ側が拒否し、交渉が中断 |
1月9日 | リチャード・ミルハウス・ニクソン生誕。第37代米国大統領。米国を揺るがせたウォーターゲート事件で失脚 |
1月10日 | 中国において第一回国会議員選挙が行われる。国民党が多数を獲得 |
1月10日 | チベットが独立を宣言 |
1月11日 | 米ニューヨークで自動車ショー開催。ロードスター、セダンなどが展示 |
1月13日 | 北海道夕張炭鉱で火災発生。消火の為に53名の生死が不明のまま坑口を閉鎖 |
1月15日 | 米技術者フレデリック・テイラー著「学理的事業管理法」が日本語に翻訳されて刊行。能率運動が起こる |
1月15日 | 大森兵蔵没。体育教授。日本にバスケットボールを紹介。ストックホルム五輪で選手団監督を務めた |
1月16日 | 政友会が内閣不信任案を決議する方針で一致 |
1月16日 | 英国下院がアイルランド自治法案を可決 |
1月17日 | 列国がトルコに対し、アドリアノープル割譲と、エーゲ海諸島の列国への委任を勧告 |
1月20日 | 桂太郎首相が新党結成を表明 |
1月21日 | 政府が予算案印刷未完成を理由に帝国議会を15日間停会。新党組織による政友会・国民党の切り崩し開始 |
1月21日 | 国民党非主流派領袖、大石正巳、片岡直温、箕浦勝人、武富時敏、島田三郎が脱党 |
1月21日 | 仏講師ジョゼフ・コットが、東京外国語学校にフランス語塾(現アテネ・フランセ)を開く |
1月23日 | 青年トルコ党が武力クーデター。エンヴェル・パシャが権力を掌握し、バルカン同盟との条約破棄を通告 |
1月24日 | 第二回憲政擁護大会開催。政友会最高幹部松田正久が出席。政友会が護憲運動に接近 |
1月25日 | 陸軍省が民間の自動車開発に補助金を交付すると決定 |
1月26日 | 奈良県生駒トンネルが崩落 |
1月26日 | 目黒競馬場で火災発生。競走馬多数焼死。出火原因は不明 |
1月28日 | 文部省が学校における兵式体操を教練と改称 |
1月30日 | 英国上院がアイルランド自治法案を否決。アイルランドの世情が悪化 |
1月31日 | 国民党脱党組が桂新党への参加を正式に表明 |
1月31日 | 都新聞、国民新聞が桂内閣支持で会合。憲政促進記者団を結成 |
1月31日 | フィリピン・マニラにおいて第一回極東選手権競技会開催。日・中・フィリピン三カ国が参加。国際試合参加により、スポーツ振興に対する関心が高まる |
1月某日 | 平塚らいてうが「中央公論」において、新しい女として男の便宜のために造られた旧き道徳、法律を破壊しようと思っていると宣言 |
1月某日 | 森鴎外が「中央公論」において阿部一族を発表 |
1月某日 | 百円札の贋札が発見される |
2月1日 | 極東選手権野球競技において日本代表の明治大学がフィリピンを撃破。東洋一に輝く |
2月2日 | 森鴎外が宮中御用係に任命される。陸軍医務局長と兼任 |
2月2日 | バルカン戦争和平交渉が打ち切り。トルコとバルカン同盟が戦闘を再開 |
2月2日 | 米ニューヨーク・グランド・セントラル駅が開業。大陸横断鉄道の要となる世界最大の駅 |
2月3日 | 桂新党(後の立憲同志会)が発足 |
2月4日 | ローザ・パークス生誕。米国黒人公民権運動活動家。人種差別的なジム・クロウ法に抵抗し、モンゴメリー・バスボイコット運動のキッカケを生む。黒人の公民権運動に貢献 |
2月5日 | 政友会が衆議院に内閣不信任案を提出。趣旨演説に立った尾崎行雄が「詔勅をもって弾丸に代えて、政敵を倒さんとするものではないか」と桂首相を痛撃 |
2月5日 | 政府が帝国議会を5日間停会 |
2月8日 | 桂首相と西園寺政友会総裁が会談。桂が内閣不信任案の撤回を求めるも、西園寺は難色を示す |
2月9日 | 西園寺政友会総裁に対し、内閣不信任案撤回の勅語が降る。政友会幹部たちは聖旨を奉ずる方針を固め、翌日休会を決定 |
2月9日 | メキシコでビクトリアーノ・ウエルタ将軍によるクーデター発生 |
2月10日 | 山本権兵衛が桂邸に乗り込み、桂首相から辞職の言質を取る |
2月10日 | 桂の辞意を知った政友会代議士が、勅語を無視して内閣不信任案可決の為に登院 |
2月10日 | 桂首相、総辞職を決意。帝国議会を3日間停会 |
2月10日 | 議会を取り囲んだ民衆が停会に激昂し暴動発生。桂系の国民新聞社や交番が襲撃される |
2月11日 | 第三次桂内閣総辞職。大正政変 |
2月11日 | 日本結核予防協会設立 |
2月11日 | 小川春之輔商店開業。トンボ鉛筆を発売 |
2月12日 | 山本権兵衛に組閣の大命降下 |
2月13日 | 孫文が来日 |
2月14日 | 上杉慎吉帝大教授が桐花学会を組織。国体明徴を主張 |
2月15日 | 青鞜社が「新しい女」の講習会を開催。岩野泡鳴、生田長江、伊藤野枝らが登壇 |
2月19日 | 政友会が山本内閣支持を決議 |
2月19日 | 慶應義塾の庭球(テニス)部が他校に先駆けて硬球を採用 |
2月19日 | ウエルタ将軍がメキシコ大統領就任を宣言 |
2月20日 | 第一次山本内閣成立 総理大臣:山本権兵衛 外務大臣:牧野伸顕 内務大臣:原敬 大蔵大臣:高橋是清 陸軍大臣:木腰安綱 – 楠瀬幸彦 海軍大臣:斎藤実 司法大臣:松田正久 – 奥田義人 文部大臣:奥田義人 – 大岡育造 農商務大臣:山本達雄 逓信大臣:元田肇 内閣書記官長:山之内一次 法制局長官:岡野敬次郎 – 倉富勇三郎 |
2月21日 | 神田書店街で火災発生。三省堂・東京堂・冨山房・有斐閣・同文館他、出版業者が罹災 |
2月22日 | メキシコのフランシスコ・マデロ大統領が、クーデターにより射殺される |
2月23日 | 尾崎行雄が山本内閣に政友会幹部が入閣したことを非難し、政友会を脱党。政友倶楽部結成 |
2月25日 | 米国で所得税の累進課税実施。年収3000ドル以上の富裕層が対象 |
2月26日 | 奈良・東大寺大仏殿の改修工事が完了 |
2月26日 | 本田実生誕。アマチュア天文家。星空の美しさに感動し、天体観測の中で惑星や新星を幾つも発見する |
2月某日 | 丸善が丸善スタンダード字書を発売 |
2月某日 | 宮内省に調度寮自動車部が設置。皇室が初めて自動車を使用 |
2月某日 | 大倉財閥の跡取り息子、大倉喜七郎が洋行のために芸者と関係を断つ。手切金は2万5千円 |
3月1日 | 講談倶楽部にて高畠華宵が挿絵デビュー |
3月3日 | 洋画家の黒田清輝が国民美術協会を創設 |
3月3日 | 米ワシントンにおいて婦人参政権デモが行われる。ヘレン・ケラーも参加。見物人の男性に暴行を受け、ホワイトハウスに辿り着けず |
3月3日 | 露にてロマノフ王朝三百年記念式典開催 |
3月4日 | ウッドロウ・ウィルソンが米国大統領に就任 |
3月6日 | 体育事業視察のために欧米を歴訪していた嘉納治五郎が帰国 |
3月6日 | 軍隊教育令公布。陸軍教育の根幹を精神と軍紀と定める |
3月8日 | 衆議院にて政友会の林毅陸が陸海軍大臣の任用資格の改定について質問。山本首相は回答に3日の猶予を求める |
3月8日 | 警視庁が「おいこら」禁止を訓示 |
3月10日 | 柳田國男が民俗研究誌「郷土研究」を創刊 |
3月11日 | 衆議院にて山本首相が軍部大臣現役武官制について相当の改正を行うことを約束 |
3月15日 | ウィルソン米大統領が記者会見に応じる。米国大統領としては初 |
3月18日 | ギリシャ国王ゲオルギオス1世が暗殺される |
3月20日 | 愛知県岡崎町丸藤旅館宿泊中の閑院宮載仁親王に芸妓が給仕した不敬事件で、閑院宮が国民なれば何ら差し支えなしと答えた旨が新聞に掲載される |
3月20日 | 中国国民党の指導者・宋教仁が上海で銃撃されて重傷 |
3月20日 | 米国が対中六カ国借款団から脱退 |
3月22日 | 米バージニア州から仏パリまでの無線電信に成功 |
3月22日 | 宋教仁没。中国の革命家。中華民国国民党党首 |
3月23日 | 東京、業平橋が開通 |
3月23日 | 京都、四条大橋が開通 |
3月25日 | 宮中に電灯が取り付けられる。従来はロウソクであったが、大正天皇がロウソクを不便であると主張した為 |
3月26日 | 衆議院にて国民党提出の選挙法改正案(25歳以上、直接国税5円以上に選挙権付与)否決 |
3月26日 | 仏医師アルバート・シュヴァイツァー博士がアフリカ赤道直下のガボンに出発 |
3月26日 | ウィストン・チャーチル英海相が軍艦建造1年間停止を各国に提案 |
3月26日 | バルカン同盟がトルコのアドリアノープルを占領 |
3月28日 | 所沢で陸軍の飛行機が墜落。日本初の飛行機事故 |
3月28日 | 田岡一雄生誕。ヤクザ。第三代山口組親分として、山口組を全国的な組織に成長させる。興行家としても有名 |
3月29日 | 政友会が、原敬、松田正久が総務委員として党を指導する集団指導体制を発表 |
3月31日 | J・P・モルガン没。米国の金融王 |
3月某日 | 洋華堂設立。現在のイトーヨーカドー |
3月某日 | 医学者の遠山椿吉が、脚気対策として半つき米を推奨を開始 |
3月某日 | 女学生の間でビリケン語が流行。様々な意味でビリケンという単語が用いられる |
憲政の神様、犬養毅と尾崎行雄
大正政変の際、議会を取り囲んだ群衆
4月1日 | 北陸本線、米原ー直江津間が全通 |
---|---|
4月2日 | 英婦人参政権運動家エメリン・パンクハーストに、懲役3年の判決が下る |
4月3日 | 金田一春彦生誕。言語学者。アクセントや方言の研究で功績を遺す |
4月4日 | 東京亀戸で、強盗犯が仕掛けた電流の罠によって警官が感電死。電流による殺人事件が発生 |
4月5日 | 上野精養軒で「にゃんにゃん猫展覧会」開催 |
4月5日 | 独ミュンヘンで女のカツラを被り、口に猿轡をして、素っ裸で首吊りした男の死体が発見される |
4月6日 | 加藤高明が桂新党に入党 |
4月6日 | 将棋の坂田三吉が関根金次郎を撃破 |
4月8日 | 野口英世博士が麻痺性痴呆症患者の脳・脊髄内に梅毒スピロヘータが存在することを証明 |
4月8日 | 非常特別税法廃止を公布。日露戦争後の税制整理が終了 |
4月13日 | 米国でジッパー(分離出来るファスナー)の特許が取得される |
4月14日 | カール・ハーゲンベック没。独サーカス王。世界の動物園に影響を与えた |
4月15日 | 珍田捨巳駐米大使が、カルフォルニア州の移民制限問題に重大関心を表明 |
4月15日 | 京王電気軌道、笹塚ー調布間が開通 |
4月17日 | 長谷川参謀総長が軍部大臣現役武官制廃止に反対を表明 |
4月20日 | 文部省が反良妻賢母論取締を決定。「青鞜」「女子世界」が発禁処分となる。青鞜初期メンバーの物集和子が父親の怒りを買い、女性解放運動から脱退を余儀なくされる |
4月20日 | トルコとバルカン諸国(除モンテネグロ)との間で休戦条約が成立 |
4月21日 | 独豪華客船インペラトール号就航。浮かぶ宮殿と称される |
4月22日 | 木越陸相が軍部大臣現役武官制廃止を承認 |
4月23日 | 帝国飛行協会設立。初の民間航空団体 |
4月24日 | 米ニューヨーク・マンハッタンにウールワース・ビルディングが完成。エッフェル塔に次ぐ世界第二位の高層建築 |
4月27日 | 東京・上野精養軒で愛犬コンテストが開催。プードルやセントバーナードが入賞 |
4月30日 | 東京で石油ランプの軒灯廃止。電灯に切り替えられてゆく |
4月某日 | 島崎藤村が仏遊学に出発。姪っ子と不倫し、妊娠させていたことが原因 |
4月某日 | 仏パリの殺人事件の女性被告に死刑が宣告されるも、検事が女性への死刑宣告は形式のみで実際に執行しないと宣言。女性差別との声が上がる |
5月1日 | 大阪に豊中球場開場。関西初の球場 |
5月2日 | 米カルフォルニア州議会が外国人土地所有禁止法案を可決。事実上の排日土地法 |
5月2日 | 米国が中華民国政府を承認 |
5月4日 | 西宮鳴尾競馬場にて武石浩玻が民間人としては初の飛行に成功するも、着陸に失敗し墜落死 |
5月4日 | 森繁久彌生誕。昭和を代表するコメディアンにして俳優 |
5月6日 | 米ジム・ソープが野球のマイナーリーグに所属していたことが発覚。アマチュア規定に抵触し、ストックホルム五輪の金メダル剥奪 |
5月6日 | 英国下院が婦人参政権法案を否決 |
5月7日 | バルカン戦争処理に関連し、ブルガリアがルーマニアにドナウ川南方を割譲 |
5月8日 | 軍部大臣現役武官制に反対する陸軍の意見書を無視するよう、山本首相が上奏。天皇は山本首相に一任 |
5月9日 | 珍田捨巳駐米大使が排日土地法に対する抗議を米国政府に提出 |
5月10日 | ダイアモンド社設立。経済雑誌「ダイアモンド」を創刊 |
5月10日 | 米ケンタッキーダービーでダンレイルが優勝。単勝配当90倍はダービー史上最大の大穴 |
5月13日 | 東京市会が新しい水源地を確保する為に小河内村の山林買収を決議 |
5月13日 | 露がエンジン4基搭載の巨大飛行機ルースキイ・ヴィーチャシの飛行に成功 |
5月14日 | 米実業家ジョン・D・ロックフェラーが1億ドルを寄贈し、ロックフェラー財団設立。全人類の福祉推進が目的 |
5月18日 | 市川監獄跡地で地鎮祭斎行。刑死者を祀る観音堂が建立され、刑死者が祀られる。首切り朝右衛門も参列し、斬首刀を奉納 |
5月18日 | 帝国通信社が香入りの夕刊を国技館内で無料配布 |
5月19日 | 米カルフォルニア州知事が外国人土地所有禁止法に署名。日本移民の農業用地所有が不可能になる |
5月20日 | バルカン戦争問題を処理するロンドン会議が再開 |
5月22日 | 東京音楽学校でワーグナー生誕百年記念際開催。ローエングリンなどが演奏される |
5月24日 | 愛知県で1908年からの6年間で貰い子100人以上を殺害していた一味が逮捕される |
5月26日 | 坪井正五郎没。人類・考古学者。日本の先住民はコロボックルであると主張 |
5月27日 | 大阪朝日新聞が日本近海の海流調査を開始。5年間で標識瓶1万3千個を投入して調査 |
5月28日 | 仏パリ・シャンゼリゼ劇場において、露作曲家イゴール・ストラビンスキーのバレエ組曲「春の祭典」初演 |
5月30日 | バルカン同盟・トルコ間に休戦条約調印。トルコは欧州の領土の大半と、クレタ島を放棄 |
5月31日 | 上智大学開校。カトリック修道会イエズス会が開いた日本初のカトリック大学 |
5月31日 | 米国憲法改正。上院議員が選挙で選出される |
5月某日 | 中山太陽堂が初の飛行宣伝ビラを撒く |
6月1日 | 講談倶楽部増刊号に浪花節が掲載される。講談師がこれに異議を唱え、講談倶楽部への寄稿を拒絶。講談社は以降、新講談と称して文士に執筆を依頼し、大衆文学が興る |
6月1日 | 文官任用令改正政府案、枢密院に諮詢 |
6月1日 | 東京朝日新聞にコラム「東人西人」新設。後の天声人語 |
6月4日 | 横浜の逓信省経理局と航行中の天洋丸が通話連絡に成功。無線電話の実用化に成功 |
6月4日 | 東京市養老院に収容されている子どもがマレー半島ジョホール王国のゴム園労働者として渡航。後に日本人経営者による虐待や病気で4人死亡と判明 |
6月4日 | 英ダービー、レース中にエミリー・デイヴィソンがコース内に侵入し、馬に轢かれて死亡。婦人参政権問題の抗議の為、国王の持ち馬を狙った際の事故 |
6月7日 | 床次竹二郎鉄道院総裁が、線路広軌化見合わせを発表 |
6月7日 | 東京モスリンの女工が虐待に反発してスト。味噌汁に海水や肥料用の醤油を混ぜられたり、10時間休みなしの重労働の実態が明らかに |
6月7日 | 米司祭ハドソン・スタックがデナリ山初登頂に成功 |
6月8日 | 独ベルリンにドイツ・スタジアムが開場。青少年のスポーツの振興による国防力増強が目的 |
6月9日 | 蘭印の牧師らがシンガポールの日本領事館に対し、人身売買業者を鞭打ちとすると警告 |
6月10日 | 森永製菓がミルクキャラメルを発売 |
6月13日 | 政府が行政整理発表。官吏6000人が削減 |
6月13日 | 陸海軍省官制改正により軍部大臣現役武官制が廃止。陸海軍大臣の任用資格が予備役・後備役の中・大将まで拡大 |
6月14日 | 南アフリカが移民法を制定し、アジア人の入国・移住を規制 |
6月15日 | 富士紡績保土ヶ谷工場の女工が、父親が危篤にも関わらず帰宅を許されず、母親が神奈川県警に届出。女工の待遇が問題に |
6月21日 | 米女性飛行士ジョージア・ブロードウィックが飛行機からのパラシュート降下に成功。女性としては初 |
6月23日 | 科学者の高峰譲吉が精養軒で国民科学研究所の設立の必要性を演説 |
6月23日 | 荻野吟子没。日本初の女性医師。婦人運動家 |
6月24日 | 木腰陸相が辞職。後任陸相に楠瀬幸彦中将が就任。山県有朋の意向を無視する異例人事 |
6月24日 | 国境画定を不服としたギリシャ・セルビアがブルガリアとの同盟を破棄 |
6月25日 | 台湾総督府が高地族征伐作戦を開始 |
6月28日 | 友愛会の鈴木文治が日本蓄音機商会の争議を調停。友愛会初の労働争議 |
6月29日 | ブルガリアが旧トルコ領帰属をめぐってセルビア・ギリシャを攻撃。第二次バルカン戦争勃発 |
6月29日 | ノルウェー議会が婦人参政権法案を可決 |
6月30日 | 秋田県能代港の遊廓が焼失のために新柳町に移転。東北随一の遊郭に発展 |
6月某日 | 日本女子大の桜楓会が託児所を開設。小石川の貧民街を対象 |
6月某日 | 日立鉱山が政府の命令で煤煙対策に直径18m高さ30mのダルマ煙突を作るも、かえって煙害が激増。アホ煙突と揶揄される |
6月某日 | 徴兵逃れの祈祷が流行。憲兵が検挙に乗り出す |
宝塚唱歌隊初演
春の祭典のバレエダンサー
7月1日 | 宝塚唱歌隊結成。後の宝塚少女歌劇団 |
---|---|
7月1日 | 南北戦争ゲティスバークの戦いから50周年を記念し、両軍の将兵が戦場で握手を交わす |
7月8日 | 文芸協会を脱退した島村抱月が松井須磨子とともに芸術座を発足 |
7月9日 | 警視庁が警察犬の訓練を公開 |
7月10日 | 米カルフォルニア州デスバレーで観測史上最高気温となる摂氏56.7度を記録 |
7月10日 | 有栖川宮威仁親王没。有栖川宮当主。跡継ぎがなく、有栖川宮家が断絶 |
7月12日 | 沢柳政太郎京大総長が7名の教授に辞任を要求。京大沢柳事件 |
7月12日 | 江西省が独立を宣言。反袁世凱派が挙兵し中国第二革命始まる |
7月13日 | 政府が中国の呼称を「支那共和国」に決定 |
7月14日 | ジェラルド・フォード生誕。第38代米国大統領。ウォーターゲート事件で失われたホワイトハウスの信頼回復に尽力 |
7月15日 | 山本首相が、枢密院における文官任用令審議難航を受け、御沙汰書の改正や山県枢密院議長の更迭を示唆 |
7月16日 | 休日に関する勅令が改正。本来の天長節(天皇誕生日)である8/31が酷暑である事を理由に、10/31を天長節祝日とし、式典斎行を移動 |
7月17日 | 有栖川宮威仁親王国葬 |
7月19日 | 岩波茂雄が書店開業の為に教員を退職 |
7月25日 | 時事新報社が富士登山競走を開催 |
7月28日 | 文官任用令改正案、枢密院本会議にて可決 |
7月28日 | バクダード鉄道計画について英・独・トルコ間で合意成立。バルカンからペルシャに渡る勢力圏を確立する3B政策 |
7月30日 | 明治天皇一年祭を開催。宮中及び桃山御陵で祭式 |
7月30日 | ルーマニア・ブカレストにてバルカン諸国間の講和会議が始まる |
7月30日 | 新美南吉生誕。赤い鳥出身の児童文学作家。ごん狐作者 |
7月30日 | 伊藤左千夫没。小説家。歌人。野菊の墓作者 |
7月某日 | 赤坂溜池に葵館開館。日活直営の興行館で上流階級を客層とする。後に葵館専属の主任弁士となった福原駿雄が、葵から芸名を徳川夢声とした |
7月某日 | 中西屋書店が絵本シリーズ「オハナシ」創刊 |
7月某日 | 渡辺霞亭が大阪朝日新聞に「渦巻」連載開始。薄幸の貴族の娘の運命を描き、人気を博する。呉服や雑貨、菓子に渦巻模様が流行 |
8月1日 | 文官任用令改正公布 |
8月4日 | 東京・日比谷図書館が児童に対する本の貸し出しを決定 |
8月5日 | 岩波茂雄が岩波書店開業 |
8月5日 | 独軍事法廷が軍事企業クルップ社に機密情報を提供していた将校に禁固刑を言い渡す。クルップ社と独軍の癒着が暴かれる |
8月6日 | 米ジョン・メイヤーズが船と汽車で35日21時間53分で世界一周の新記録樹立 |
8月8日 | 広東独立運動が失敗。孫文が日本に亡命 |
8月10日 | ブカレスト講和条約により第二次バルカン戦争集結。ブルガリアがマケドニアの大部分をセルビア・ギリシャに割譲 |
8月13日 | 名古屋市で発生した殺人事件で、被疑者として逮捕した男たちの証言から、吉田石松が主犯として逮捕される。世紀の冤罪事件、吉田巌窟王事件 |
8月16日 | 英ヴィッカース社にて戦艦金剛竣工。最後の外国製巡洋戦艦 |
8月16日 | 米フォード社が流れ作業の組み立てライン完成 |
8月18日 | モナコ・モンテカルロのカジノ・ルーレットで26回連続で黒が出る。史上最高の記録 |
8月21日 | 東北帝国大学理学部が女性に門戸開放。黒田チカ、牧田ラク、丹下ムネが入学 |
8月21日 | 大正製薬所設立 |
8月31日 | 初の公募切手発行。当選者の田沢昌言の名を冠して田沢型大正白紙切手と呼ばれる |
8月31日 | アーウィン・ベルツ没。お雇い外国人。日本の医療・医学の西洋化に貢献。近代日本医学の基礎を作る |
8月某日 | 日活が弁士養成所を設立。映画興行の要である弁士養成に乗り出す |
9月1日 | 東京女子高等美髪学校開校。卒業後に美髪師の称号が与えられる |
9月1日 | 蘭印で売春婦、女衒への罰則が規定される |
9月1日 | 袁世凱が南京占領。中国第二革命、失敗に終わる |
9月1日 | 南京の日本領事館に中国軍が踏み入り、避難中の日本人を襲撃する事件が発生。世論が激昂 |
9月2日 | 岡倉天心没。日本美術院の創設者。ボストン美術館東洋部長を務めた。官僚として古社寺保存や美術教育に行政に携わり、東京美術学校を創立。帝室博物館美術部長を歴任 |
9月3日 | 家永三郎生誕。歴史学者。日本の戦争責任を鋭く追及し、議論を巻き起こす |
9月4日 | 丹下健三生誕。建築家。広島の平和記念公園や国立代々木競技場体育館、東京都庁等、多くの国家的プロジェクトの建築を手がけた |
9月4日 | 田中正造没。代議士。足尾銅山鉱毒問題を天皇に直訴。晩年は公害の被害を受けた農民とともに闘う |
9月5日 | 阿部守太郎外務省政務局長が右翼に刺殺される。南京事件への対応を軟弱外交と非難されていた |
9月7日 | 日比谷公園にて対支問題国民大会開催。政府の軟弱外交を批判し、即時中国出兵を決議 |
9月7日 | 独・澳・伊三国が共同軍事演習。三国同盟強化を協議 |
9月9日 | 独科学者ハーバーが空中窒素固定法を開発。カール・ボッシュにより工業化に成功。肥料と火薬を空気から生み出す大発明 |
9月12日 | 中里介山が都新聞において「大菩薩峠」の連載を開始 |
9月12日 | 豊田英二生誕。実業家。トヨタ自動車株式会社の社長として、同社を世界規模の会社に導く |
9月14日 | 神奈川県・鎌倉にロベルト・コッホの記念碑建立。明治38年来日の際に鎌倉に滞在した縁 |
9月14日 | 鈴木藤三郎没。明治時代に氷砂糖の製法を完成。糖蜜を用いて日本で初めてラム酒を製造 |
9月15日 | 天皇が汽車に同乗した原内相に対し、直筆の書を要求。原は悪筆を理由に謝絶 |
9月18日 | 正井観順没。僧侶。比叡山の千日回峰行を2度満行。三千日回峰行に入るも、回峰行2555日目に行者道で倒れる |
9月19日 | 文部省が医師試験規則・歯科医師試験規則・薬剤師試験規則を公布 |
9月21日 | 東京・神田で千里眼養成の実演会開催。実験に失敗 |
9月26日 | 大日本体育協会を体育の統制団体であるとし、国内五輪委員会の性格を規定 |
9月26日 | 対中五カ国借款団が解散。対中投資が自由化される |
9月27日 | 松本女子師範生が裁判を見学するも、その内容が男女間の猥褻事件であったことから問題化 |
9月28日 | 長崎県・島原鉄道が開業 |
9月29日 | ブルカリア・トルコ間でコンスタンティノープル講和条約調印。トルコがアドリアノープルを回復 |
9月29日 | ルドルフ・ディーゼル没。独技術者。ディーゼル機関の発明者。汽船から姿を消す不審死 |
9月某日 | 田丸亭之助が神戸に日本初となる犬の訓練校を開校 |
9月某日 | 廃娼運動組織、廓清会が芸妓問題演説会を開催。社会運動家の安部磯雄らが参加 |
辣腕を振るう山本権兵衛首相
巣鴨の名物患者、葦原将軍
10月4日 | 日本キリスト教大会において、他宗派の葬儀参列の場合は敬礼・脱帽で弔意を示すことを決定 |
---|---|
10月5日 | 大正天皇・皇后が活動写真を観覧 |
10月6日 | 日英露など13カ国が中華民国政府を承認 |
10月7日 | 日本実業協会創立。会長に渋沢栄一が就任 |
10月10日 | 建設中のパナマ運河で、太平洋と大西洋が接続される |
10月10日 | 袁世凱が中華民国大統領に就任 |
10月10日 | 桂太郎没。日露戦争を指導。新党を組織し、後の二大政党制の道を拓く |
10月11日 | 台湾で対日独立蜂起計画発覚。首謀者に死刑判決 |
10月13日 | 中・英・チベット会談。袁世凱が外チベットの自治を承認 |
10月16日 | 遺言により桂太郎の遺体が解剖。脳の重さは一般の日本人より300グラム重かったと判明 |
10月17日 | 大阪豊中球場で日本オリンピック大会開催。400mトラックを使用して陸上競技が行われる。大阪毎日新聞社が主催。 |
10月17日 | シーメンス社と日本海軍の癒着の証拠である重要書類を持ち出したカール・リヒテルが、シーメンス東京支社を脅迫 |
10月18日 | 英婦人参政権運動家エメリン・パンクハーストが米国に入国 |
10月21日 | 天皇が汽車に同乗した原内相に対し、煙草を与える。原は天皇のヘビースモーカーっぷりを心配するも、天皇はそこまでは吸わないと談笑 |
10月22日 | ロバート・キャパ生誕。ハンガリーの写真家。スペイン内戦を初めとする戦場の写真を残す。死の瞬間の人民戦線兵士で有名 |
10月25日 | 医師の石原修が「女工と結核」と題し、紡績女工の労働実態と、結核の関係を発表 |
10月28日 | 独トルコ軍事協定が成立 |
10月29日 | ブラジル産コーヒー輸入販売会社カフェーバリウスタ設立。コーヒーの普及に貢献 |
10月31日 | 後藤新平が桂新党を脱党 |
10月某日 | 日活が向島撮影所を開業。最新の撮影機材と100坪のステージを擁する |
10月某日 | 大阪朝日新聞社と大阪毎日新聞社が、新聞店の販売値引き競争防止のために新聞の定価協定を締結 |
11月1日 | 新時代劇協会が東京田端の白梅園で紅玉を演じる。日本初の野外劇 |
11月1日 | 第一回陸上競技選手権大会が陸軍戸山学校で開催 |
11月1日 | 米国ペンシルベニア州で世界初のガソリンスタンドが開業 |
11月3日 | 東京麻布に三業地が開業。第一師団将兵を対象とした歓楽地。山の手の山猫の異名を得る |
11月4日 | リヒテルがシーメンス東京支社の重要書類を、ロイター通信社のアンドリュー・プーレー通信員に売却 |
11月4日 | 袁世凱が国民党に解散を命令 |
11月5日 | 露がモンゴルに対する中国の宗主権を承認。中国は外モンゴルの自治を承認 |
11月7日 | マハトマ・ガンジーがアジア人差別反対の抵抗運動を行なったとして南アフリカで逮捕 |
11月6日 | 独アルザスで、住民が自治を求める運動を開始。独将校の暴言がキッカケ |
11月7日 | 葦原将軍に大将の軍服が贈られる |
11月7日 | アルベール・カミュ生誕。仏作家。不条理を描く文学を残す。「ペスト」ではナチスの全体主義を黒死病になぞらえて描いた |
11月10日 | プーレーがシーメンス東京支社を脅迫 |
11月11日 | 大阪で浦上商店(現ハウス食品工業)設立 |
11月13日 | 名古屋の陸軍特別演習に飛行機2機が参加 |
11月14日 | 天皇が汽車に同乗した原内相に対し、直筆の書を再度要求。天皇は原が和歌を書にした事を耳に入れていた。原は断れ切れずに、書の献上を約束 |
11月14日 | 仏作家マルセル・プルーストが「失われた時を求めて」の第1巻「スワン家のほうへ」を発売。ブルジョアの過去を素材として、時間の意味や性格を哲学的に探求 |
11月17日 | シーメンス東京支社が斎藤海相に事情を説明。司法省・警視庁に通報し、海軍内部の汚職について内偵調査が開始される |
11月18日 | 汽船がパナマ運河を初通過 |
11月22日 | 徳川慶喜没。最後の徳川将軍として大政を奉還 |
11月26日 | シーメンス東京支社がプーレーから重要書類を買い戻す |
11月28日 | 北海道・函館の五稜郭が公園として開放される |
11月30日 | 英国がアラビア・シリア・メソポタミア全域の石油採掘権を取得 |
11月某日 | 高知市藤並神社で高知開市300年を記念し、山内一豊の銅像が建立 |
11月某日 | 輸送船若宮丸が水上機母艦の改装工事を受ける |
12月2日 | 芸術座が帝劇でサロメを初演。松井須磨子が主演を務める |
12月2日 | 仏ミシュランがドライブガイド「ギード・ルージュ」を発行。道路の舗装状況やレストラン、ホテルなどの情報を掲載 |
12月6日 | 帝劇でキネトフォンが初公開。「物言う不思議の活動」と宣伝され、大きな評判を呼ぶ |
12月7日 | 米大リーグ、ホワイトソックスとジャイアンツが来日。慶應大学野球部と対戦。16-3で大敗 |
12月10日 | 朝日新聞社が「朝日年鑑」を発行。日本初の年鑑 |
12月10日 | インドの詩人ラビンドラナート・タゴールがアジア人として初めてノーベル文学賞を受賞。宗教的な詩想を美しいリズムで読む |
12月11日 | 京都法政大学が立命館大学と改称 |
12月13日 | 盗難されていた名画「モナリザ」が仏ルーブル美術館に戻る |
12月19日 | 尾崎行雄の政友倶楽部と花井卓蔵らの亦楽会が合同。中正会結成 |
12月19日 | 宮内省が井の頭の皇室領地の下賜を発表 |
12月21日 | 米アーサー・ウィン考案のクロスワードパズルが新聞紙面で掲載される |
12月23日 | 立憲同志会結党式開催。加藤高明が立憲同志会総裁に就任 |
12月23日 | 米国に連邦準備銀行法公布 |
12月26日 | 第30回議会(-翌3月26日閉会) |
12月29日 | 米ロサンゼルス郊外のハリウッドに映画撮影所が設立 |
12月某日 | 横浜正金銀行頭取の井上準之助がゴルフ倶楽部設立。東京駒沢にゴルフ場造成を開始 |
12月某日 | 東京下谷で美術学校の為にヌードモデルを斡旋していた宮崎菊がモデルの組合を設立 |
某月 | 北海道・東北地方で冷水害による大凶作発生。北海道では米の収穫が平年の1割となり、片栗粉の団子やジャガイモの皮まで食される。小学生が学校を辞めて炭焼き人夫となることが社会問題に |
某月 | 久原鉱業が日立鉱山周辺のハゲ山復旧のために大島桜の植樹を開始。10年で320万本が植えられる |
某月 | 料理人の高畑増太郎がソースカツ丼を考案 |
某月 | 銀座千疋屋がフルーツパーラーを自称 |
某月 | 東京の文房堂がパステルを輸入発売 |
某月 | ダンロップ・ゴムが国産の自動車タイヤを製造 |
某月 | 清朝粛親王第四王女が大陸浪人川島浪速の養女として来日。川島芳子と改名 |
某月 | 佐久間惣治郎商店(現サクマ製菓)が缶入りドロップスを発売。映画「火垂るの墓」の小道具として登場し、人気を集める |
某月 | 英国で精神薄弱法公布。独身で妊娠した女性が知的障害者とみなされて、矯正施設や保護施設に送られる |
某月 | 米科学者エルマー・マッカラムが脂溶性ビタミンを発見。ビタミンAと命名 |