1915年7月11日 加藤老事件
男は自分の罪を軽減するために、全く事件の関係ない加藤新一が主犯であると証言した。
加藤は窃盗の前科があることから主犯格であると決めつけられ、警察は何とか自白を引き出そうと激しい拷問を加えた。
身に覚えのない殺人の罪を被らされそうになった加藤は一貫して無罪を主張するも、裁判で無期懲役の実刑判決を受けた。
釈放され何十年も経ったある日、自分と同じ境遇にありながら再審無罪を勝ち取った吉田巌窟王事件を知る。
加藤はこれに勇気付けられ、幾度もなく再審を要求。
1975年に当時の事件の再審が開始され、1977年に証拠とされた刀と被害者の傷が一致しないことが証明された。
こうして事件発生から62年の歳月を経て、加藤老は無罪判決を勝ち得たのである。
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